インタビュー:NTTドコモ スマートライフビジネス本部 倉田泰氏
旅行業に進出したNTTドコモ 「dトラベル」で需要創出へ
NTTドコモは昨年12月、国内宿泊予約機能を提供する「dトラベル」を開始した。ジェイティービー(JTB)との業務提携で約1万1000軒の宿泊施設の予約が可能。単純な予約サービスだけでなく、独自の旅行プランも提案する。すでに第1種旅行業も取得し、将来的には海外旅行市場への進出やオプショナルツアーの販売も目論む。dトラベルの戦略について、NTTドコモ スマートライフビジネス本部マーケットビジネス推進部コマースサービス担当部長の倉田泰氏に聞いた。
-旅行事業を始められた意図をお聞かせください
倉田泰氏(以下、敬称略) 大きく分けてふたつある。まずは市場から考えたアプローチがある。dトラベルは、dマーケットと呼ばれるマーケットストアの中の旅行サービスという形でスタートした。dマーケットは普段使いのショッピングセンター。郊外のショッピングモールのイメージだ。ファッション、音楽、ビデオなどいろいろなサービスがある。お客さまに楽しんでもらうためには、いろいろなショップがあった方がいい。その意味で、旅行もお客さまに価値を提供できるものだろう。
ふたつめには、携帯通信事業者として地図や位置情報など行動支援を提案してきたが、旅行先の行動も支援できるのではないか、という着想があった。つまり、旅マエの予約から旅ナカまでというコンセプトで、一貫したサービスを提供するというもの。予約ができるサイトはいろいろあるが、dトラベルは、旅行中のナビゲーションや旅のプランを組むことができる点が大きな特徴だ。予約で終わるのではなく、旅の中まで快適さを提供する。従来の行動支援を伸ばすと新しい価値になるだろうという考えがあった。
実を言うと、昔から旅行事業に関する構想はあったが、今回、価値を提供する枠組みとして旅行業の免許をとって、お客さまにサービスを提供するのがベストの方法だろうという結論に達した。