阪急阪神HD、旅行事業は減収減益、海外の減少響く-国内需要は好調
阪急阪神ホールディングス(阪急阪神HD)によると、2014年3月期第3四半期累計期間(2013年4月1日~12月31日)の連結業績のうち、阪急交通社、阪急阪神ビジネストラベル、阪急トラベルサポートからなる旅行事業では、営業収益(※純額)は前年比7.9%減の257億9200万円となった。営業利益は利益率の高い海外旅行の落ち込みが響き、59.8%減の17億9900万円と2ケタ減となった。
旅行事業では、海外旅行の中国、韓国方面で2012年秋以降に減少している集客に回復が見られず低迷が続いた。また、エジプト、トルコ方面では政情不安の影響で集客が減少するなど厳しい事業環境で推移しており、こうした要因などで、減収減益となった。
一方、国内旅行は景気回復への期待から需要が高まる中、北海道や沖縄方面を中心に好調に推移。伊勢神宮や出雲大社の遷宮などタイミングを押さえた商品ラインナップの充実をはかり、さらなる集客に努めた。このほか、トラピックス25周年のチャータークルーズ企画や阪急交通社創業65周年記念の海外、国内ツアー企画を展開したという。
2013年度の業績予想では、旅行事業は5月発表時の当初予想より下方修正した。営業収益は当初予想から19億円減の330億円、営業利益は13億円減の12億円。韓国方面の低迷に加え、政情不安によるエジプトやトルコ方面の集客減が主な変動の要因だという。
また、ホテル事業では営業収益が1.4%減の484億6600万円、営業利益が54.8%増の12億8000万円だった。営業収益は、前年度に高知新阪急ホテルなど不採算ホテルから撤退したことや、メニュー表示と異なる食材を使用していたことによる影響などでレストラン部門が低迷し、減少。一方、営業利益は宿泊部門の需要回復などから増益となった。13年度の業績予想では、レストラン部門の低調などを見込み、営業収益は7億円減の635億円、営業利益は1億円減の8億円とした。
なお、阪急阪神HD全体の営業収益は2.5%増の5106億2600万円、営業利益は9.9%増の822億9600万円、経常利益は14.1%増の752億6300万円。四半期純利益は29.5%増の503億1300万円だった。13年度の業績予想は営業収益が100億円増の6800億円、営業利益は60億円増の900億円、経常利益は60億円の780億円と上方修正。当期純利益は40億円増の460億円とした。