KNT、上期ホリデイは提案型の商品強化、8%増11.5万人めざす
近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)は、このほど発表したホリデイの2014年度上期商品で、顧客の需要を想定してより高い満足を提供しようとする戦略商品を強化した。発表された数値を比較すると、2013年度の上期は取扱人数が目標を3割以上下回るなど規模では苦戦。しかし、同社では単価の安い単純な商品の縮小と付加価値の高い商品への注力、リピーターの獲得などホリデイの改革を進めているところで、2014年度もこの方針を堅持し、成長に向けた取り組みを継続していく。
戦略商品では、消費者に「選んでいただく」のではなく「ご提案していく」商品を充実することで将来的な商品力の強化をねらい、「プレミアムホリデイ」や「ご提案型ツアー」、「SIT・テーマ旅行」を展開する。
このうちプレミアムホリデイは昨年度新設したもので、ワンランク上の上質さがテーマ。今年度は例えばプレミアムハワイの商品では、ロイヤル・ハワイアン・ホテルに宿泊し、最終日の夜にはビーチが見えるメインダイニングでのディナーを用意。また、プレミアムヨーロッパは国際線で日本航空(JL)のプレミアムエコノミークラスを利用し、ペアシートを設定。各コース22名限定で案内し、1日の観光時間は最大9時間を目安としている。
一方、ご提案型ツアーは、ファーストタイマーとリピーター、あるいは効率よく周遊したいか自分のペースで観光したいか、同行者は誰か、子連れであれば就学前か後か、といった顧客それぞれの状況や事情で異なるニーズに対して、KNT個人ならではの旅行を提案するもの。
例えば「ハネムーンハワイ」のパンフレットでは、ホノルルをベースとして離島へ行くツアーやパワースポットを巡るツアーなど、思い出に残るハネムーンとなるような5コースを設定。国際線往復並び席、海が見える客室、おすすめの夕食1回なども盛り込んだ。
また、「感動体験オーストラリア」と「感動体験ニュージーランド」のパンフレットも作成。オーストラリアでは「大自然」、「ハネムーン向けロマンチックジャーニー」、「隠れ家リゾート」、「自分流の旅」の4つのカテゴリーを設け、ニュージーランドについては「絶景」に絞って4コースを掲載した。
従来から注力しているSIT・テーマ旅行では、趣味などで目的が限定されている旅行者をターゲットとし、ブライダル、クルーズ、日本人観光客の少ない地域などに焦点を当てて商品を造成。このうち「地球讃歌」シリーズでは世界遺産、遺跡、自然を目的とし、オンシーズンのベルーを訪れてマチュピチュとナスカの地上絵などを7日間で周遊するツアーなどを設定しており、インド、スリランカ、ミャンマー、アフリカなどのツアーも設けた。
このほか、月刊のパンフレット「ジャーニスト」の発行も開始。「旬のものを旬の時に売る」ことをテーマとし、間際の商品やオンシーズンの方面、マラソンなどスポーツ関連を含めたイベントなどのツアーを掲載していく。
なお、こうした取り組みにより、通常の基幹パンフレットと合わせて合計8%増の11万4800人の取り扱いをめざす。詳細は下表の通り。