旅行業倒産、10月は3件、宿泊業は9件に
東京商工リサーチ(TSR)によると、2013年10月の旅行業の倒産件数は前年と同数の3件となった。負債額は52.3%増の1億6400万円。震災関連の倒産は0件だった。9月に倒産した旅行会社は、福岡県北九州市や埼玉県三郷市、東京都大田区の会社で、いずれも負債総額は1億円未満の小規模企業の倒産だという。
TSRでは9月の倒産件数が4件、8月が2件と、ここ数ヶ月の倒産件数が比較的少ないことから、アベノミクス効果により業界全体で旅行需要が増加し、回復傾向にあることが倒産件数の減少に寄与しているとの考え。また、今年3月に中小企業金融円滑化法が終了した後も、金融機関の融資に対する基本体制に大きな変化がないことから、資金調達環境が必ずしも悪くなっていないことも効果があったと見ている。
なお、宿泊業は倒産件数が3件減の9件、負債総額は56.4%減の24億4500万円だった。このうち震災関連は1件。また、9件の内8社が破産、1件が特別清算であり、再建見込みが無い業績不振の業者が宿泊施設を閉鎖し、法的な精算手続きを選択しているのではとの見方だ。