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羽田発着枠、記者レク詳報【5】

  • 2013年10月3日

-一般的な考え方では、2社が同じ路線で競い合った方が価格なりサービスなりの競争力が上がるというのが市場原理だと思うんですけど、利用者の利便性も上がるということだと思うんですけど、今回傾斜配分なさったということは国交省としてそうした利用者の利便性の増大というよりも、事業者の利益、突き詰めてはNHの利益を利用者の利益よりも優先させたと、そういう考え方でいいんですか

 いえ、そういう考え方ではございません。短期、長期の話というのはあると思いますけれども、繰り返しになりますけれども、中長期的には公平な競争基盤の上で健全な競争が2社体制でおこなわれるというのが望ましいというのは繰り返し申し上げさせていただいているところでございますけれども、そういったイコールフッティングの中で競争をやっていただくということを通じて、現実には航空サービスの質の向上というのははかられるものと考えています。

 一方で、もうちょっとミクロの話をさせていただきますと、概ねですけれども2枠あるところはほぼ平等に均等配分はなされているかと思います。ただその、一つしか枠のないところにつきましては、やはり逆にそれを細かく分類するとかえって利用者利便を阻害する、ダイヤが悪くなるとかですね、場面もありますので、そこはある一定度、一つしかないものですから、ある考え方のもとにどちらかにもともと配分せざるを得ないというところがあろうかと思います。


-時間をかけて検討した結果だと思うんですけれども、あらためてスロット自体、発着枠そのものの考え方を見直す、特に一度もらったものは永遠に使えるというところに関して…

 国内線の場合には回収再配分というようなシステムがあるわけですけれども、国際線の場合にはなかなか事情が違っておりまして、国際線につきましてはもともと購入する航空機も非常に国内線で使用するものと比べれば大きいとか、あるいは人員の体制をはかったりとか、一定程度巨額な投資を必要とするという特性がございますので、そういったものについては安定的に利益回収ができるということで、その路線の経営の安定を一定程度確保しなければいけないという風に思っています。

 また、国際線につきましては一旦その枠を使って飛びはじめると、ダイヤ調整上「ヒストリック」ということで既得権が発生いたします。その航空会社を例えば途中で差し替えるという形になると、前の航空会社が利用していたダイヤというのは引き継げない形になりまして、新規の航空会社ははっきり申し上げて、ダイヤ調整の過程では一番後回しになると。

 そういったことは、かえって逆に利用者利便を害する部分もございますので、そういったその特性の違いに鑑みまして、今般のような配分をさせていただいていると。一旦配分したものについては特段回収するということではないという形になっているところでございます。