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KNT-CT、上半期の売上高46%増、クラツー統合効果

  • 2013年8月8日

 KNT-CTホールディングスの2013年12月期第2四半期累計期間(2013年1月1日~6月30日)の決算で、売上高(総額表示)は前年比46.0%増の2005億円、営業損益は10億100万円の赤字(前年、以下同:9億4600万円の赤字)となった。経常損益は14億3200万円の赤字(9億4800万円の赤字)、純損益は10億5100万円の赤字(13億9200万円の赤字)。

 売上高の増加は、今年1月に統合したクラブツーリズムの取り扱い分を前年度数値には含んでいないため。ただし、当初の予想と比較すると84億9900万円低い結果となっている。全体的には国内が好調であった一方、海外旅行が想定よりも低調で、特に取り扱いの多い近距離アジアの需要減が響いた。また、経常損益では、円安により為替差損として5億1500万円(4700万円)を計上している。

 事業分野ごとに見ると、クラツーと近畿日本ツーリスト個人旅行、近畿日本ツーリスト個人旅行販売が分類される個人旅行事業は、売上高が1184億5500万円で、このうちクラツーはほぼ前年並みの720億円であったといい、KNT側が減収となった。損益面でも、個人旅行事業全体では11億6600万円の赤字だが、クラツーは10億円の黒字を計上しているという。また、近畿日本ツーリストが担う団体旅行事業では、売上高が481億7900万円、損益は6億5900万円の黒字であった。

 全体の営業損失10億100万円に対してクラツーが10億円の利益を上げていることから、KNT3社を含むクラツー以外が20億円の損失を出したことになる。これについてKNT-CTホールディングス常務取締役の中辻康裕氏は8月8日の会見で、KNT側が現地視察など社員教育の投資を始めていることが一因と説明。

 また、期初に発表した業績予想では営業損失は11億円の赤字としており、結果的には予想を約1億円上回ったことになるが、これは売上減に伴う提携販売店への支払い手数料の減少、早期退職による効果などが理由という。

 下半期については、現時点で見通しが不透明であるとし、通期予想の売上高4650億円、営業利益44億円、経常利益39億円、純利益15億円から変更はしない。中辻氏は、KNT個人が進めているSIT対応など商品の価値向上やクラツーとのシナジーが、下半期には効果を出し始めると期待を示した。


※KNT-CTでは今年1月1日付けで近畿日本鉄道の子会社になったことに合わせ、連結上の会計処理統一のため、募集型企画旅行と受注型企画旅行などの販売額について、売上高から売上原価を控除する「純額表示」から売上高と売上原価ともに計上する「総額表示」に変更している