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関空、12年の営業利益は21.1%増-旅客数も21.2%増に

  • 2013年5月15日

 新関西国際空港(新関空会社)は5月15日、2012年3月期(12年4月1日~13年3月31日)の連結業績を発表した。同社の発足は4月だが、関空、伊丹の経営統合は7月に行なわれているため、主に7月から13年3月の経営成績となる。このため、同社では関空の経営成績として、連結部分から伊丹分を除外し、旧関西国際空港会社の4月から6月分を加えた業績を発表している。

 関空の経営成績によると、営業収益は4.5%増の922億3800万円。国際線旅客数が増えたことで、旅客サービス施設使用料や物販店や免税店などの直営事業収入を中心に増加した。営業費用は第2ターミナル運営経費の増加などで0.3%増の707億2500万円と微増。営業利益は21.1%増の215億1200万円となった。

 12年の発着回数は、国際線で12年夏期、冬期スケジュールともに過去最多になったことや、国内線のLCCの新規就航や増便などもあり、19.4%増の12万9000回と2ケタ増となった。9月以降は尖閣問題の影響もあったが、LCC専用ターミナルの建設などによるLCCの受入促進や、国際線着陸料引き下げなども奏功したとの考えだ。

 旅客数は21.2%増の1679万9000人。国際線は12.9%増の1142万4000人で、領土問題で中国方面は大きく落ち込んだが、台湾や東南アジア諸国などの訪日需要を取り込んだこともあり、外国人旅客数で開港以来最高値を記録した。国内線はLCCの新規就航などで43.4%増の537万5000人と大幅に増加した。

 新関空会社の連結業績では、営業収益は788億4800万円、営業利益は209億3300万円だった。経常利益は営業外収益として政府補給金収入69億円を加えたほか、営業外費用として支払利息分を計上したことで158億7100万円。純損益は経営統合に伴う資産評価で評価減が派生したことや、特別損失として分割移転損失230億円を計上したこともあり、26億5200万円の赤字となった。なお、7月から13年3月の伊丹の経営成績によると、営業収益は95億3100万円、営業費用は42億5100万円、営業利益は52億7900万円となっている。


▽13年は増収増益見込む

 2013年度の連結業績見通しでは、営業収益は伊丹統合の効果や航空需要の増加を踏まえ、前年比(※)10.9%増の1129億円を見込む。また、営業利益は3.4%増の277億円、経常利益は政府補給金の減額などもあり28.0%減の130億円、当期純損益は79億円の黒字となる予想だ。

 このうち、関空の営業収益は8.3%増の999億円、営業利益は7.8%増の232億円、伊丹は営業収益が36.4%増の130億円、営業利益は14.7%減の45億円を見込んでいる。

※前年比は12年度の新関西国際空港の連結に、旧関西国際空港の4月から6月の連結分を加えたもの