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アクセスランキング、1位は春秋航空、GW利用実績も

[総評] 今週は、春秋航空(9C)グループの日本市場における事業展開についての記事が1位になりました。9Cは2010年7月に初の国際線として茨城/上海間のプログラムチャーターを開始し、現在は高松と佐賀にも就航しています。関空や新千歳への就航計画は尖閣問題による需要減で延期となっていますが、2014年までに日本からの国際線を10路線に拡充する計画は変更していないということです。

 また、今秋には国内線の就航をめざしており、現在は国土交通省への申請準備を進めているところといいます。さらに、4月には旅行会社の日本春秋旅行も立ち上げを済ませました。

 2010年からの3年間は、少し考えただけでも日本航空(JL)の破綻、日米オープンスカイ、羽田の再国際化、LCCの相次ぐ就航など航空関連で大きな変化が続きましたし、それ以外でも震災の発生とその後の出国者数の過去最高更新など激動の期間であったように思います。

 9Cもこうした動きの要素の一つであったわけですが、9Cのさらなる拡大戦略は今後も全体的な環境変化が続いていくことを予感させます。アクセスランキングを見ていても、例えばプリンセス・クルーズによる日本発着クルーズの記事が8位に入っていますが、クルーズもこれからの数年間で急激な変化が期待できる市場です。

 このように様々なプレーヤーのそれぞれの動きが一つの大きな流れを形成し、全体の常識を作り変えていっているわけですが、その世界の住民がどのように振る舞っていくのか非常に興味深いところです。

 さて、今週はこのほか2位と3位にゴールデンウィークの航空会社の利用状況が入りました。2位がJLと全日空(NH)、3位がLCC3社ということで昨今の航空業界を象徴するような記事の並びになっています。

 興味深いのはLCCが間際に強かった点で、4月19日に発表された予約状況では芳しくない数字であったところから堅調ないし好調な水準に引き上がりました。近距離路線のみであることが主な要因かもしれませんが、マーケティングと販売の戦略による部分もあるでしょう。

 エアアジア・ジャパン(JW)の実績がピーチ・アビエーション(MM)とジェットスター・ジャパン(GK)と比較して低調な点は気になりますが、JW代表取締役副社長兼CFOの内山正明氏も「日本のLCCのなかでは一番厳しい数字」と認めています。内山氏によると、座席のコントロールとイールドマネージメントが最大の要因で、「改善の余地がある」ほか、中部3路線は4月26日の運航開始で認知向上が不十分であった点などが原因との分析です。

 とはいえ、国際線旅客数のみで見ますとJLとNHは合計で1万1000人ほど減じていますが、MMとJWで2万6808人。スターフライヤー(7G)の北九州/釜山線は4000人強ですから、少なくとも日本の航空会社が運んだ海外旅行者数は増えていることになります。

 旅行業界誌としては、この増加分のどれだけが旅行会社の商売につながっているのかが重要ですが、感覚的には残念ながらさほど多くはなさそうです。繰り返しになりますが、多様なプレーヤーの打つ手によって市場は刻一刻と変化していきます。自社の力を発揮する場所をどこに選ぶか、そしてどのように発揮するか―この3年間の変化を思うにつけ、その判断は「待ったなし」ではないかと思われます。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年5月第2週:5月5日0時~5月10日17時)
第1位
春秋航空、日本路線拡大へ-旅行部門で卸売、ツアー造成も(13/05/08)

第2位
JAL・ANA、GW実績で国際線2.5%減、間際でアジアが伸び(13/05/07)

第3位
日系LCC実績、ピーチ好調-3社とも間際の伸び強く(13/05/08)

第4位
香港ディズニー、新テーマランド開業へ、拡張計画の最終章(13/05/08)

第5位
インタビュー:ヒルトン・ワールドワイド代表取締役のソーパー氏(13/05/07)

第6位
日本航空、客室乗務員を追加採用、既卒者対象(13/05/07)

第7位
全日空、B787を北京・台北・上海に投入へ-6月からのダイヤ決定(13/05/09)

第8位
プリンセス、日本発着初クルーズは満席-盛大にキックオフパーティ開催(13/05/05)

第9位
KNT-CT、第1四半期は売上919.5億円、営業損失改善(13/05/09)

第10位
日本航空、中部/ホノルル線の機材を大型化-7月12日から(13/05/09)