名鉄観光、支店長が語る支店運営成功の鍵-全国支店長会議から
名鉄観光サービスは3月25日に全国支店長会議を名古屋で開催し、同社の銀座、盛岡、梅田支店長が、今までの経験を元に支店運営の成功事例を紹介した。3支店とも売上予算や利益目標を達成し、表彰された優良支店。震災や観光旅行の減少など業界環境が厳しいなか、支店内の成果を上げるためにどのような取り組みを実施しているのか。発表内容からそのヒントを探る。
「風通し」の良い支店づくりへのこだわり
ルールや挨拶は中堅社員にも徹底化
スタッフの3割が同業他社での勤務経験があるという銀座支店52名を束ねているのが支店長の安藤昌尚氏だ。安藤氏は「支店内でのコミュニケーションに一番力を注いでいる」という。
その最たる例が挨拶だ。基本的なことではあるが、挨拶は大きな声で相手に聞こえるようにすることを社員全員の約束事としており、特に支店の雰囲気を左右する中堅社員に率先して挨拶するよう指導している。安藤氏は「声を掛け合うことで壁を取り払うことができる。それぞれ全く違う仕事をしている環境のなかでお互い話や質問をしやすくなり、相乗効果が生まれるのでは」と期待している。
安藤氏自身も、決済事項や社員から相談を受けるときには仕事の手を止め、社員を椅子に座らせ、同じ目線で話をするよう心がけている。「報告や相談をしてもらいやすくすることで、都合の悪い報告でも自然にできるようになり、支店の風通しがよくなる」との考えだ。
さらに、安藤氏は各課のリーダーに対し、部下が支店長へ悪い報告をするは必ず同席するように指導している。「注意する時に上位職が同席することで、もう迷惑はかけられないという感情が芽生え、再発防止や課としての一体感を生む」という。一方、契約獲得などの良い報告は担当者ひとりで報告させる。「先輩や上司に手伝ってもらった仕事でも、ひとりで褒められることで改めて先輩達に感謝の念も生まれ、自信にもつながる」からだ。
銀座支店ではこのほか、支店内の改善案を定期的に社員から募り、整理整頓や経費削減策などの決まりを数多く定めている。成績の良い社員やベテラン社員などがこうした細かなルールを守らないこともあるが、安藤氏は例外を認めたり黙認してしまえばすべてが台無しになるとの考えから、全員がの決まりを守るよう根気よく取り組みを続けていると説明した。