ジャルパック上期、「旅のプロ」らしさ注力、パンフ色も変更
ジャルパックは1月23日、2013年度上期に展開する「JALパック」の海外と国内のツアーを発表した。説明会で同社代表取締役社長の二宮秀生氏は、テーマとして掲げる「ジャルパックならではの“いい旅、あたらしい旅”」を提供するため、ジャルパックの企画力と手配力を生かして「旅行会社が介在する意味」を商品に込めたという。海外は1月17日に販売を開始済みで、2013年度の合計で12年度見込み比7%増、29万2000人の取り扱いをめざす。
まず、2013年度商品では、パンフレット表紙の色を従来の赤から白に変更。これは、他社のパンフレットでも赤を使用するものが多いためで、白を選択することで「よりJALカラーに近い形」をめざしたという。パンフレットは左上部に“JALパック”のブランド名を黒字で置き、方面は赤で表記。右上部には“鶴丸”を配した。
商品開発にあたっては、海外と国内いずれも“ゆったり”と“楽しい!”をキーワードに設定。“ゆったり”は、50代から60代の新世代シニア層を含むシニア層にふさわしい旅行の提案をねらったもので、海外では世界遺産を訪問するコースやツアーコンダクター同行コースを充実した。
また、欧州では1グループの参加人数を最大20名から25名に限定し、長距離移動時にはトイレと冷暖房、シートベルト付きのバスを利用。このほか、ツアーコンダクター同行コースでも、パリのオペラ地区など立地の良いホテルに宿泊するようにし、安心感やゆとりを強化した。
一方、“楽しい!”では、家族向けのサービスやコースを拡充。例えばハワイでオリジナル観光“ホクレア”の新ルートとして、古代の航海術を学べるプラネタリウム鑑賞と星空観測を組み合わせた“ナイトツアー・イミロア”を新設したほか、グアムでも“クマノミ・スノーケリングツアー”を用意した。
また、二宮氏は「何を見るかだけでなく、どこで何をどんな風に体験してもらうか」という視点も重視したと説明。例えばオーストラリアでウルル(エアーズロック)のサンセットヘリ遊覧や、タヒチでのツパイ島上陸プランを設定。また、台湾の九フンは夕暮れ、中国の蘇州は夜など、訪問する時間も工夫しており、今後もこうした工夫の積み重ねにより商品の改善と差別化を進めていくという。
販売促進では、1月17日に放送が始まった、旅行会社の空港カウンタースタッフを主人公としたテレビドラマ「あぽやん」にジャルパックが撮影協力していることから、これと連動した店頭用ディスプレイなどの露出を予定。販売店向けのFAMツアーも継続して実施していく。
このほか、ボーイングB787型機の運航停止が長引けば商品への影響も大きくなるが、二宮氏は「どうなるかわからない」としつつ、「経由でも旅行が可能なコースはたくさんあるので、(お客様に)ご相談しながら、極力ご参加いただけるよう」取り組んでいくと語った。
なお、2013年度の取扱人数目標は12年度見込み比で7%増の29万2000人。方面別では座席供給量の増えるハワイを10%増としたほかは2012年度並みの水準を見込む。中国と台湾はそれぞれ30%増、19%増としたが、これは尖閣問題の反動で、「上期は少しマイナスが継続し、下期は前年よりも良くなっている」との予測だ。