観光庁、アミューズトラベルの登録取消へ、行政処分方針固める
観光庁は、アミューズトラベル(アミューズ)に対する行政処分として、旅行業登録を取り消す方針を固めた。12月18日に、アミューズ側が意見を陳述する機会である聴聞を開催する予定で、アミューズには12月10日に通知済み。アミューズでは先ごろに12月20日付で事業廃止を届け出ていたが、18日に聴聞が開催されれば合理的な釈明ができない限り、登録取消となる。
行政処分の理由として観光庁では6点を列挙。それぞれの営業停止処分の日数を合算すると72日となり、累積60日以上は取消とする内規に基づいて処分を決めた。累積による登録取消は今回が初めてという。
6点のうち、遭難事故を起こした万里の長城ツアーに関するものは4点。1点目は、本社の旅行業務取扱管理者が的確にツアーを計画し、実施できる体制でなかった点で、「下見をおこなわないなど情報収集の不十分さ」「携帯電話が通じなくなる地域があることを知っていながら、他の連絡手段を用意しなかった連絡体制の不備」「現地と本社の定期的な連絡による気象情報などの提供や、それに基づいた旅行中止の判断、指示をおこなう仕組みの不備」を問題視した。
2、3点目は取引条件の説明に関するもので、アミューズは通常、顧客に対してメインのパンフレットを定期的に送付していたが、今回の万里の長城ツアーは別刷りでパンフレットを制作。このパンフレットに取引条件書や契約時に取引条件の説明をする旨が掲載されておらず、さらに契約時にも取引条件の説明をしていなかったことがいずれも処分の理由となった。4点目は、降雪の可能性を把握し参加者の装備も不十分であると認識しながらツアーの中止や代替案の提示などをしなかった、旅程管理上の問題。
次ページ>>>▽国内バスツアーで運送引受書の不備も-下見の判断は「しっかり決めたい」