MH新副社長、A380日本導入に意欲-LCCとの差別化も
マレーシア航空(MH)の北アジア&北米地区代表統括副社長にこのほど就任したリー・ポー・ケイト氏は、12月6日に開催されたレセプションで弊誌の取材に応え、エアバスA380型機の日本線導入について「日本線にA380を導入するのが夢。来年か数年内に導入したい」と意欲を示した。
MHはA380を6機発注しており、当初は4機目を成田線に導入する予定だったが、ロンドン線に振り替えを決定していた。ケイト氏は「今回は取り止めになったが、(A380導入は)可能性として持ち続けている。成田路線だけでなく、他路線への導入も検討したい」と述べた。
新機材の導入は、競合他社との差別化の一環。LCCの台頭で競争環境が激化するなか、プロダクトやサービスを強化することでLCCとの差別化をはかる考えだ。今年6月にはクアラルンプールのサテライト・ターミナル内のゴールデンラウンジを改修。サービス面では、ケイト氏はスカイトラックスが実施した「2012ワールド・エアライン・アワード」で5ツ星を獲得したほか、「ベスト・エアライン・キャビン・クルー賞」などを受賞したことをあげ、引き続きサービスの向上をめざしたいとした。
▽日本市場は回復傾向、旅行会社との関係強化が奏功
また、ケイト氏は「日本はビジネス、レジャー共に見込める市場であり、MHにとっても重要と位置づけている」と日本の重要性を改めて強調した。日本市場は2011年は落ち込みをみせたが、2012年は回復しているといい、MH日本支社長のガン・ブン・グアン氏も「日本市場が格段に回復したことで、我々のボードメンバーも日本に対して期待をいただいている」とした。ロードファクターも改善しており、旅行会社との関係強化が奏功したとの考え。今後も旅行会社に対するサポートを継続する方針で、現在5%としているコミッションも維持する考えだ。
また、今後の路線計画について、ケイト氏は「市場の声に答え、柔軟に対応していきたい」と述べた。12月20日から、関空/コタキナバル線の運航を再開するが、ケイト氏は、市場の需要や旅行会社からの要望に応える形で増便を決定したと説明。今年2月から運休している羽田/コタキナバル線についても「機会があり、市場のニーズが高まれば再びやりたい」と述べた。