JATA、日韓観光振興協議会で提言-送客400万人目標に

  • 2012年11月11日

 日本旅行業協会(JATA)は10月29日、函館で開催された第27回日韓観光振興協議会において、韓国観光地方観光活性化に向けての提言を発表した。協議会では、JATA海外旅行推進委員でANAセールス執行役員の吉田博行氏が意見発表を実施。航空アクセスや地方観光の活性化など、5項目について提言をおこなった。

 航空アクセスに関する提言では、成田、羽田、中部、関空、福岡空港から韓国の地方国際空港への直行便開設の働きかけや、LCCによる地方都市間の直行便開設について言及。また、日韓路線のある地方空港都市同士の姉妹都市締結と交流の深度化や、直行便開設に合わせた1年間の旅行キャンペーンの継続的実施を提案した。KTXの整備や宿泊施設の充実については、ソウルから地方都市へのKTXの拡張、空港/駅間のアクセス改善、韓屋生活体験施設やテンプルステイの充実などをあげた。

 さらに、地方観光については、2013年に順天湾国際庭園博覧会が開催されることから、イベントを絡めた日本市場へのアピールを提案。SNSを活用した広告展開の実施、慶尚南道と韓国南海岸の宣伝活動強化、各観光地を結ぶ交通網の整備としてシャトルバスの運行もあげた。また、日本側には韓国観光公社(KTO)と日本のホールセラーが協力しての告知展開も提案した。

 そのほか、文化(体験)観光については農村や漁村、山村での体験プログラムの充実、仏教伝来の歴史探訪や儒教学習、白磁、青磁の窯元体験、祭りなどのテーマに焦点を当てることを提案。療養を兼ねた医療観光ツアーの創出や、エコツアーなどの活性化もあげた。

また、同会議では両国の共同声明が発表された。共同声明では2013年を日韓地方観光交流元年と位置づけ、日韓間の交流人口を2011年比で41.4%増の700万人にすることを目標に掲げている。JATAによると、内訳としてアウトバウンド400万人、インバウンド300万人を想定。原発の影響によるインバウンドの冷え込みや、竹島問題などの政治的影響による市場の冷え込みもあるなか厳しい目標との認識で、目標達成に向けてKTOとの協力体制を強化していく考えだ。