デルタ社長、羽田線増加に意欲-成田は「アジアのハブ」
デルタ航空(DL)社長のエドワード・バスティアン氏が来日し、9月13日に記者会見を開催した。バスティアン氏は羽田路線について「羽田の運航は戦略的に重要」と強調。羽田路線で東京を中心とした日本の旅行者に対応したい考えで「羽田線を増やしていくことにこだわり続けたい。シアトル線就航を期待している」と意欲を示した。
DLは羽田/デトロイト線の発着枠に対し、米国運輸省(DOT)に羽田/シアトル線を申請中だ。バスティアン氏は、「シアトルは羽田からの路線がない米最大のゲートウェイ」とし、「消費者の観点からみれば、他航空会社が申請している都市よりも重要」との考え。また、DLと提携しているアラスカ航空(AS)のハブ空港であり、米国内外への接続便も多く提供できるという。
さらに、アライアンスの観点から見ても、スターアライアンスやワンワールドは日系航空会社が羽田に就航しているため、競争の公平性からスカイチームの枠が必要と述べた。なお、運休したデトロイト線については「成田/デトロイト線がすでにあり、輸送力が需要よりあった」ため、運休に至ったとした。
一方、成田はDLのアジアにおける国際ハブ空港として大切な空港であるとし、「羽田、成田の両空港が重要だ」との考え。成田にはDLと同じスカイチームのアジア系航空会社が多数就航しており、接続利便性も良いことから「成田はアジアのハブ空港。変更する気はない」と強調した。
また、バスティアン氏は太平洋路線において、サービスの向上を重視する考えを示した。今後1年は現在発表済みの路線を除き、新規就航の予定はないという。同社は2013年まで30億米ドルを費やし機材や機内設備などの投資計画を実施。2013年夏までには太平洋路線の95%以上に、ビジネスクラスで新しいフルフラットベットシートを導入する計画だ。
なお、DLでは燃油費コスト減のために製油所を買収しており、9月末までにはジェット燃料の生産を開始する予定。2013年には年間3億ドルの利益を創出する見込みとした。こうしたコスト削減効果もあり、バスティアン氏は第3四半期は堅調に推移し、旅客輸送量は1%から3%削減するが、営業利益は9%から11%増となる見込みを示した。