東電、千葉県の11市町を風評被害賠償地域に追加

  • 2012年8月7日

 東京電力は8月6日、原発事故による観光業の風評被害について、千葉県の賠償対象地域を拡大した。対象となる地域は木更津市、君津市、富津市、鋸南町、大多喜町、茂原市、成田市、香取市、神崎町、多古町、東庄町。すでに賠償対象地域に指定されている外房エリアや、茨城県との観光圏の一体性という観点から、影響があると想定し、賠償対象地域に指定したという。

 支払い対象期間は2011年3月11日から12月31日まで。賠償基準は、震災発生から8月までは、原発事故以外の要因による売上の減少率を3月11日から5月31日までは20%、6月1日から8月31日までは0%とするパターンか、3月11日から8月31日まで10%とするパターンのいずれかを選択できるようにした。9月1日から12月31日までについては、売上減少率は0%としている。

 請求は「観光業者さま用A」の請求書類で受け付けており、8月6日から書類の発送と受付を開始。賠償金請求希望者は、「福島原子力補償相談室(コールセンター)」に連絡する。また、今回追加されなかった地域についても、事故との相当因果関係が認められる損害については個別に事情を聞き、適切に対応していくとした。

 なお、東電によると2012年8月3日現在、観光業の風評被害に対し支払われた賠償金額は、約9900件の667億円。外国人観光客の解約については約1300件の146億円となっている。