JAL、サンディエゴ線は日本発需要50%想定、レジャーにも期待

  • 2012年5月17日

セミナー会場の様子 日本航空(JL)とアメリカン航空(AA)は5月17日、共同で旅行業界向けセミナーを開催し、JLからは今年12月に就航予定のサンディエゴ線について説明した。JL担当者によるとサンディエゴ線の就航は、北米線における業務渡航需要の獲得に向けて路線網強化が必要と判断したため。日本発の需要を5割程度と想定し、米国発とアジア発の需要も取り込んでいく戦略だ。

 JLの分析では、北米線におけるアライアンスごとの業務渡航需要のシェアは、現状ではスターアライアンスが53%であるのに対してワンワールドは32%。エリア別に見て米国中部への路線では42%となっているものの、東海岸は33%、西海岸は23%に留まっているという。サンディエゴ線の就航は西海岸の強化を意図したもので、東海岸でもすでにボストン線の運航を開始したほか、AAも羽田/ニューヨーク線の運航を再開する計画だ。

 サンディエゴを選択した理由は、西海岸エリアの都市のうち、日本からの業務渡航需要がロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルに次ぐ規模でありながら、アジアからの直行便がないため。さらに、在留邦人が約1万5000人で、2010年には約7万4000人、1日あたり200人の日本人がサンディエゴを訪れたという。

 日米間需要の取り込みに向けては、メキシコのティファナなど近隣エリアを含めて日系企業の需要を開拓するほか、レジャーでもグランドキャニオンやモニュメントバレー、ラスベガス、ティファナなどと組み合わせた商品造成を提案していく考え。

 具体的には、近々にサンディエゴ線の機材仕様や運航スケジュールなど詳細を発表した後、夏ごろにJLウェブサイトやFacebookページ、機内誌、交通広告、雑誌、テレビなどを活用して“サンディエゴ”の露出をはかるとともに、パッケージツアーの商品展開を開始。秋には各種メディアで“サンディエゴ線”の告知をはじめたいという。

 なお、セミナーでAAは羽田/ニューヨーク線について、カリブ海や南米への乗り継ぎ利便性の高さをアピールした。JLとAAの共同セミナーはこれが初めてで、AA代理店営業部部長の倉田博樹氏によると今後も継続して取り組んでいく方針だ。