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新観光庁長官に前海事局長の井手憲文氏-前田大臣、「即戦力」に期待

  • 2012年4月1日

 国土交通省は3月30日、観光庁長官の交代を発表した。3月31日付で溝畑宏氏は退任し、後任として4月1日付で前海事局長の井手憲文氏を任命した。観光庁長官はこれで3人目で、今回は国土交通省内からの起用となる。

 国土交通大臣の前田武志氏は任命の理由として、井手氏が観光や交通、海事、航空、鉄道関連の職を歴任しており経験が豊富である点をあげ、「今即戦力として使えるのはこの人」と期待を示した。また、同日閣議決定された観光立国推進基本計画に触れ、計画推進のためには省内各局や関係省庁と協力し「横断的チームとして、横断的システムにしていく」必要があると強調。井手氏の内閣官房での経験を活かした「調整役」としての働きにも期待を示した。

 また、溝畑氏については「観光立国推進計画と東北観光博という2つのミッションを見事に3月末までにやりとげてくれた」と評価。「もっとトップセールスマンとしてのキャラクターで、観光立国のプロモーションのために協力してほしい」と、今後も引き続きインバウンドをはじめ観光振興への協力を求める考えだ。

 井手氏は1976年に運輸省に入省後、国際運輸・観光局観光部旅行業課補佐官、同局国際航空課補佐官などを経て、1992年4月に外務省在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部参事官に着任。帰国後は運輸省で鉄道局総務課鉄道企画室長、航空局監理部国際航空課長、自動車交通局保障課長などを務めた。2001年の国土交通省発足後は、鉄道局総務課長、総合政策局政策課長、大臣官房審議官、気象庁次長、政策統括官などを歴任。2009年7月には内閣官房内閣審議官兼総合海洋政策本部事務局長に就任し、2010年8月から国土交通省海事局長、2012年1月から同省大臣官房付だった。