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観光立国推進基本計画、最終案決定-12年の訪日外客目標、76%がアジア

  • 2012年3月26日

分科会では、観光分科会長で日本国際フォーラム副理事長の平林博氏(左)が国土交通大臣の前田武志氏(右)に答申書を渡した 観光庁は3月26日、交通政策審議会観光分科会を開催し、観光立国推進基本計画の最終案を決定した。冒頭挨拶で、国土交通大臣の前田武志氏は、観光は「人口の減少、高齢化など閉塞感の漂う日本において大きな希望を持つ発展分野」と述べ、「新たな基本計画を柱にし、アジアの成長も取り入れ、これからの日本の新しいフロンティアを築いていきたい」と意気込みを示した。

 観光立国推進基本計画の最終案では、前回会議での意見やパブリックコメントを踏まえ一部項目で追加をおこなった。国際拠点空港の整備では、空港運営の民間委託を推進する流れを受け民間の能力を活用した空港経営改革の推進により、魅力ある空港の実現をめざすと文言を追加。また、パブリックコメントであげられた、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産(GIAHS)の仕組みの活用などを盛り込んだ。なお、パブリックコメントは地方自治体や企業、団体、個人から計98意見が寄せられたという。今後は3月28日に開催する第3回観光立国推進本部で最終案を決定し、3月30日の閣議決定、国会報告を経て4月1日から開始する予定だ。

 また、会議では2012年の訪日外国人目標値である900万人の内訳を発表。韓国を除いた全市場で、861万人を達成した2010年以上の目標数値を設定し、全体の約76%にあたる688万人をアジア全体の目標とした。韓国、中国、台湾、香港の主要4市場では韓国が200万人ともっとも多く、次いで中国が180万人、台湾が150万人、香港が57万人となった。

 訪日外国人の回復が遅い韓国では、影響力の強いメディアやブロガーなどを通じ、放射性物質関連の正確な情報発信による風評被害対策を実施。LCCとタイアップしたキャンペーンや、割安感のある旅行を具体的に提案することで、ウォン安対策もおこなう考えだ。また、昨年オープンスカイに合意した台湾では、チャイナエアライン(CI)が3月25日に台北(桃園)線を開設した静岡など、新規路線の開設や増便が決定している地域でのプロモーションに注力。20代から30代の子どもがいない夫婦や独身層、40代の夫婦を対象に、ウェブサイトやコンビニ店頭などで情報を発信していく。

 一方、アジア以外の市場については、ビジネス需要の戻りが早い英国やアメリカで2010年よりも高い目標を設定。英国は1万人増の19万人、米国は3万人増の76万人とした。その他の市場についてはまずは2010年並に戻すことをめざし、2010年実績と同じ数値を目標に設定した。