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JAL大西会長、羽田と成田の役割明確化、チャーター強化も

  • 2012年2月16日

 日本航空(JL)代表取締役会長の大西賢氏は2月16日、日本旅行業協会(JATA)の経営フォーラムで講演し、航空業界の現状とJLの戦略を説明した。この中で大西氏は、2016年の航空需要について見通しを示し、諸条件が現状どおりであれば国際線で25%、国内線は0.5%減になるとの見方を示しつつ、首都圏空港の発着枠拡大とLCCの参入で需要の積み増しは可能の分析。JLとしては、羽田空港で「日本発着の幅広い需要に対応した“内際ハブ”」、成田空港で「日本発着の需要に加え、海外発着の需要に対応できる“グローバルハブ”」の構築をめざす計画だ。

 具体的には、羽田空港の国際線はビジネス需要の強い路線を中心に展開し、国内線は国際線との乗り継ぎの充実をめざすとともに、地方路線の運航頻度を増やすことで利便性を向上する。一方、成田の国際線ではボーイングB787型機を活用して、従来は実現が困難であった中長距離かつ需要規模の大きくないデスティネーションに就航する計画で、すでにボストン、サンディエゴ、ヘルシンキ線の開設を発表済み。これに加え、ジェットスター・ジャパンの事業を後押しすることで国内、国際ともに新規需要を掘り起こし、さらにワンワールド内での提携を深め、「アジア/欧米間の乗り継ぎ需要に対して積極的にアプローチしたい」考えだ。

 なお、海外旅行市場全体への取り組みとして、チャーターによる需要の掘り起こしを強化する方針も明言。「需要が定着すれば定期便化する」とし、2012年度にはアイスランドへのチャーターの運航を計画していると語った。このほか、ハワイについても、「現地ならではのアクティビティを無料体験できるキャンペーンやスポーツのイベント、ウェディング」で需要を喚起する考え。大西氏はハワイについて、「リピーターが多く様々な素材が揃っており、今後も発展を続けると思っている。JLグループとしても、徐々にということにはなるが供給を増やしていきたい」と意欲を示した。