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12年の展望(2):今年は前年超え予測、訪日の苦戦続く-アンケートより

  • 2012年1月25日

 2012年の旅行業界は東日本大震災からの回復傾向が続くなか、海外旅行では円高やロンドンオリンピック、国内旅行では東京スカイツリーの開業、訪日旅行ではアジアからの訪日需要の順調な回復など、業界にとって明るいトピックも多い。トラベルビジョンが旅行会社30社に実施したアンケート調査から、第2回となる今回は、12年の旅行業界の全体の傾向として、取扱高の予測や強化したいポイントをまとめた。

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海外はイベント需要への期待、懸念材料も残る

 12年は11年の反動もあり、前年を超えるとの見通しが多かった。海外旅行では回答があった27社のうち、前年比10%以上増が8社、5%増から9%増が6社、プラスマイナス4%以内は13社となり、プラス成長と前年並みとする回答がほぼ半数ずつ。マイナス予測はゼロだった。11年の反動に加え、大手総合旅行会社やホールセールを中心に9社がプラス要因として円高が継続するとの見通しをあげ、大手総合旅行会社やメディア・通信販売系など6社がロンドンオリンピックや韓国の麗水世界博覧会といったイベント需要が追い風となる見方を示した。また、昨年は動きが鈍かったシニア層の戻り(ホールセラー)や、国内企業の海外出店による業務渡航需要の回復(業務渡航系)を期待するコメントもあった。

 一方で、世界経済に対する不安や、アラブの春以降の中東やエジプトの政情不安による需要回復の遅れ(メディア・通信販売系)、サプライヤーの直販化を懸念材料としてあげる旅行会社(総合旅行会社)もあった。業務渡航を取り扱う旅行会社では、長期円高が企業の出張需要に与えるとの懸念する声もあった。


国内もプラス成長見込み-関東の需要回復に期待

 国内旅行では、取り扱いのある25社で、10%以上増が4社、5%増から9%増が10社、プラスマイナス4%以内は11社となり、海外旅行と比べプラス予想は控えめだが、同様に全社が前年並みかプラス成長を選択した。昨年の反動に加え、回答社のうち4社が東京スカイツリーや東京駅旧駅舎の開業などで、東京観光の旅行需要が活発化し、関東方面の需要回復がはかれるとの期待を示した。

 そのほか、2月の復興庁の設立などによる復興需要の高まりや、東北方面が回復基調にあることから需要増や中止案件の復活を期待する声も8社から寄せられた。しかし、「回復は鈍い」(リテーラー)「本格回復にはまだまだ時間がかかる」(メディア・通信販売)と厳しい見方をする旅行会社も2社あった。また、メディア・通信販売系では2社が大河ドラマ「平清盛」関連ツアーへの期待をあげた。