コスタ客船座礁、3月まで300名予約の人気コース-影響に懸念
コスタクルーズの客船「コスタ・コンコルディア」が現地時間1月13日20時45分頃、ジリオ島付近で座礁した。コスタ・コンコルディアは約11万4000トンと同社の中では最大級の大きさをほこり、2006年6月に着水した新しい客船だった。座礁時の乗客は3206名、乗員は1023名で、外務省海外邦人安全課によると、日本人乗客43名と乗員1名の計44名は全員無事だった。
日本でコスタクルーズの販売代理店を務めるのは日本総代理店(GSA)のオーバーシーズトラベル(OTA)と、日本地区正規代理店のクルーズプラネット。日本人44名のうち、OTAは33名、クルーズプラネットは4名を取り扱っている。OTAが取り扱う33名のうち添乗員1名を含む29名は阪急交通社のグループ客で、現在帰国の準備を進めている。また、このほかの7名は個人手配などとみられる。
コスタクルーズでは、すでに2月末までのコスタ・コンコルディアによるコースの運航停止を決定。一方、3月以降については未定としており、OTAとクルーズプラネットでも、3月以降の旅行商品やコスタ・コンコルディア以外を利用する商品については、1月16日午後17時30分現在で通常通りの取り扱いとしている。
同航路は7泊8日の定期航路で、1月13日にローマを出発し20日に帰港する行程だった。座礁したのはローマのチビタベッキア港を出航し、北上しながらサボナへ向かう途中で、OTAによると、今回、サボナから乗船予定だった日本人客がミラノで足止めになり、そのまま日本へ帰国するといった影響も発生したという。
また、OTAの取り扱い分のみで2012年3月出発分までに300名の予約が入っており、日本人には人気のコースだったという。OTAのクルーズ担当者は、「現時点ではキャンセルなどは想定したほど発生していないが、問い合わせは増えている」と話しており、クルーズ市場への影響が懸念される。
なお、事故の原因についてコスタクルーズは自社ウェブサイト上で、島に近づき過ぎたなど同船船長の人為的なミスがあった可能性があるとの見解を示している。
※訂正案内(編集部 1月17日 20時20分)
キャンセル状況について誤って表記しておりましたので、修正するとともに関係者の皆様にお詫び申し上げます。