ピーチ、就航運賃は片道250円、旅行会社にも営業開始
ピーチ・アビエーション(MM)は12月15日、大阪で開催した記者会見で、2012年3月1日に就航する関空/福岡線、関空/新千歳線の3月1日から24日搭乗分の運賃を発表した。運賃体系は、予約のタイミングや空席状況によって価格が変動する空席連動型で、付帯サービスが付かないシンプルな「ハッピーピーチ」と、座席指定や受託手荷物1個、予約変更などの追加料金が不要になる「ハッピーピーチ・プラス」の2種を用意した。
運賃は、関空/福岡線では「ハッピーピーチ」が片道3780円から1万1780円、「プラス」が5480円から1万5780円とした。新千歳線は「ハッピーピーチ」が4780円から1万4780円、「プラス」が6480円から1万9780円。
さらに、就航のスペシャルキャンペーン運賃「ハッピーピーチ・プロモ」を各路線片道250円、往復500円とインパクトのある価格で合計5000席設定。いずれも販売開始時期は、12月下旬から1月上旬の予定だ。
会見で代表取締役CEOの井上慎一氏は、「日本初のLCCとして、徹底的なコストマネジメントでこれほどの低価格を実現させた」と、自社の強みをあらためてアピール。また、「常に低価格を提供し続けることが重要」とし、運賃発表期間以降も、同水準の運賃を維持することを示した。
井上氏は今後の課題について、「レガシーキャリアに慣れている日本の消費者に、ピーチのサービスコンセプトを正しく理解してもらうように訴えかけていくことが肝要。やってみなければわからないことも多いので、発売後も顧客の意見を広く反映してサービスを磨き上げていきたい」と語った。
また、「関空は24時間空港だが、現在の空港へのアクセス事情では、航空会社が24時間運航することはできない。今後路線を拡充していくためにも、解決に向けて働きかけたい」と語った。
なお、運賃に加えて、コンタクトセンターを利用して予約すると1050円、空港カウンターでは2100円の新規予約手数料を徴収。これらの手数料はインターネット予約では無料だが、すべての予約方法ともに、決済時には支払い手数料210円が発生する。
▽ネット以外のチャネル展開も前向き
国内線・国際線ともにLCCの参入が激化する関西国際空港だが、井上氏は競合他社について「新しいコンセプトで潜在需要を掘り起こすのが我々の役割だが、自社だけでは顕在化した需要に追い付けないと考える。他社が参入して受け皿が増えることは喜ばしい」と、歓迎する姿勢。株主である全日空(NH)についても、「ピーチの意思決定はNHから完全に独立しているので、路線ごとに独自の収益を鑑みて展開する」と強調した。
また、MMの主要な販売チャネルはインターネット直販となるが、事業計画部長の小野功氏は、「現在、企業や旅行会社にもセールスを進めている」とし、「まだ契約にいたってないものの、すでに旅行会社を50社ほど訪問している。運賃システムは直販と同じものを運用するが、インターネットに限らず、間口を広げて様々な販売チャネルを拡充したい」と述べた。