デルタ航空、日系LCCは影響少-アウト堅調、経済不安に懸念も

  • 2011年11月10日

DL太平洋地区営業統括本部長兼日本支社長のジェフリー・S・バーニアー氏 デルタ航空(DL)太平洋地区営業統括本部長兼日本支社長のジェフリー・S・バーニアー氏はこのほど本誌のインタビューに応じ、来年以降に相次いで就航が予定される日本のLCCについて、影響は少ないとの考えを示した。バーニアー氏は、「もちろん、国内線はLCCの登場により価格も下がり旅行者にも歓迎されるだろう」とし、日本市場に一定の変化が生まれると予測しつつ、国際線はすでに厳しい競争にさらされており、国内線ほどのインパクトはないと分析した。

 また、LCCの「ローコスト」に対して、DLも継続的にコスト競争力を強化してきており、一方でプロダクトやサービスへの積極的な投資を維持し続けていると強調。ブランドやマイレージプログラム、ネットワークなどの点でも異なる戦略をとっているため、アジア路線など重複する市場でも「競合するとは考えていない」という。

 LCCを設立した日本航空(JL)と全日空(NH)日本の航空会社については、「子会社でLCCを設立するより、本体のコスト構造を改革したほうが長期的には良いのではないだろうか」とコメント。さらに、空港使用料など運航費用が高い日本で、いわゆるLCCのビジネスモデルをどのように実現するのかも「疑問」とした。

 なお、インタビューではこのほか、需要動向などについても回答した。東日本大震災の影響は、アウトバウンドが「業務渡航、レジャーともに確実に回復してきている」一方で、インバウンドは「深刻な状況が続いている」と説明。アウトバウンドについては、10月から12月にかけて勢いが鈍化しているといい、「震災の影響というより世界経済の動向に影響を受けたもの」と懸念を示した。


※インタビューの詳細は後日掲載予定