タイ洪水でツアー再開延期、バンコクツアー中止も
タイで発生している洪水の長期化にともない、アユタヤへの滞在や観光を含むツアーの再開を延期する旅行会社に加え、バンコクツアーの催行を中止する旅行会社も出てきている。
外務省が10月14日付で発出したスポット情報によると、10月13日現在283人の死者が出ており、アユタヤ県内では工業団地の日系企業の建物がチャオプラヤー川やノイ川の増水で冠水被害を受け、多くの企業が操業を停止。タイ北部、中部地域への公共交通機関も不通など影響がでており、たとえばタイ国鉄(SRT)はアユタヤ方面へ向かう北部線がバンパインから先が不通で、アジア・ハイウェーもアユタヤ方面への一部が寸断されている模様だという。
また、在タイ日本国大使館によると、バンコクはチャオプラヤ川近辺で一部冠水被害があり、13日から18日にかけては高潮を迎えるため、川や運河の水位の上昇による洪水被害が懸念されている。19日までの降水確率は7割から8割だ。ただし、14日現在、冠水地域はごく一部で、観光地には影響はないという。
オペレーター各社によると、14日時点では水上マーケットやカンチャナブリ・ローズガーデン訪問は通常通り催行しており、アユタヤ観光の代替案としている会社もある。ただし、水上マーケットの場合、状況によってはボートではなく陸路での移動を検討するとした会社もある。また、ローズガーデンでのゴルフは水浸しのため中止しており、バンコク北部でも一部状況が悪いゴルフ場や、クローズしている場所もあるという。
こうした状況を踏まえ、近畿日本ツーリスト(KNT)は10月13日付で、21日日本出発分までアユタヤまたはバンコクに滞在するツアーの催行を中止すると発表した。取消料は収受しない。今後の対応は19日に決定していく考えだ。
また、日本旅行は10月13日付で、ジェイティービー(JTB)は14日付で、アユタヤの観光、滞在が含まれるパッケージツアーについて、催行中止期間を10月21日日本発分まで延期した。エイチ・アイ・エス(HIS)も10月24日まで、ジャルパックは28日まで、それぞれ本日付でツアーの催行を中止している。
一方、クラブツーリズムと阪急交通社、ANAセールスは、アユタヤ訪問を中止し代替地を設定することで、ツアーを催行する。クラブツーリズムによると、次回の出発日は19日で、今後15、16日の現地の状況を見て代替地を選定していく。消費者に対しては解除権を与えた上でツアーの説明を実施しているという。阪急交通社でも、消費者に解除権を与え、アユタヤ訪問を中止し代替地に行くツアーを実施する。同社によると、取消料を免除したことで約半分がキャンセルになっているという。また、ANAセールスではアユタヤ遺跡、バンパイン宮殿の閉鎖にともない、10月25日まで、同遺跡、宮殿の見学をカンチャナブリ観光と象乗り体験に変更して対応する考えだ。