タイ洪水でアユタヤツアー中止、バンコクへの振替も
タイで発生している洪水の影響により、旅行会社各社はアユタヤでの滞在や観光を含むパッケージツアーを催行中止、もしくは代替観光地への振替など対応を進めている。
外務省は10月7日付でタイ北部、中部地域とバンコク都における豪雨、洪水被害に関する注意喚起を発出。また、在タイ日本国大使館も10月10日付で注意喚起をウェブサイトに掲載した。報道によると、7月以来続く豪雨により、タイ北部、中部広域で河川の氾濫や土砂災害、冠水被害が発生。10月10日現在、260名以上の死者が発生している模様だ。なかでもアユタヤ圏内ではチャオプラヤー川とノイ川の氾濫で甚大な被害が発生しており、バンコク都内でもチャオプラヤー川や運河の水位が上昇。川沿いの地域では一部冠水被害も発生している。
タイ国政府観光庁によると、アユタヤは島内を含む全エリアで浸水しており、現地ツアー会社もアユタヤのツアーを17日、もしくは18日まで催行中止にしているという。また、エス・エム・アイ・トラベル・ジャパンによると、世界遺産「古代都市アユタヤと周辺の古代都市群」が水没したほか、ホテルも浸水しており、道路の浸水などで交通手段も途絶えている。こうした状況から、同社では21日までアユタヤの観光・宿泊を中止とした。ただし、バンコクについては、ところどころ冠水した地域はあるが、観光には影響がないという。
こうした状況のなか、ジェイティービー(JTB)と近畿日本ツーリスト(KNT)は14日の日本出発分まで、旅程にアユタヤ観光と滞在が含まれるパッケージツアーの催行を中止。日本旅行は10月16出発分まで中止とし、今後の対応は10月14日までに決定する考えだ。エイチ・アイ・エス(HIS)は10月17日まで、ジャルパックも10月21日出発分まで催行を中止する。各社とも、バンコク滞在などアユタヤ以外のタイ方面のツアーについては通常通り催行し、催行中止対象ツアーについては、取消料は収受しないという。
一方、阪急交通社はアユタヤを訪問するツアーについて、催行中のものはバンコクなどの代替地を設定し、ツアーを継続。今後出発するツアーについても、消費者に解除権を提供し取消料を免除した上で、アユタヤ訪問を中止し代替地に行く前提でツアーを実施する。クラブツーリズムでも同様にバンコクなど代替地を用意する措置を取りツアーを催行する方針で、12日出発のものも実施したという。