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海外・国内旅行、大幅回復で全方面上昇-海外はアジアと韓国好調、JATA調査

  • 2011年9月14日

 日本旅行業協会(JATA)が2011年8月1日から17日までに実施した旅行市場動向調査によると、現況(2011年7月~9月)の海外旅行のDI値(※)はマイナス20で、3ヶ月前から44ポイント増となり、大幅な回復をみせた。また、5月中旬から6月上旬にかけて実施した前回調査での3ヶ月後の見通しと比較して19ポイント増となった。JATAによると、東日本大震災の影響は前期で完全に底を打ったとの考えで、円高の追い風もあり、全方面、顧客層で大きく回復したという。ただし、燃油サーチャージの高騰など需要への悪影響の懸念もあり、今後はゆるやかに回復していくとの見通しだ。3ヶ月後(2011年10月~12月)の予想も、1ポイント増のマイナス19とした。

 方面別で見ると、現況は全方面で上昇しており、なかでもアジアは48ポイント増の10ポイントに、韓国は44ポイント増の12ポイントと大きく上昇し、DI値がプラスとなった。そのほか、ハワイが39ポイント、ミクロネシアが33ポイント、ヨーロッパが30ポイント増となったが、オセアニアは9ポイントの上昇にとどまった。3ヶ月後は、オセアニア、ミクロネシア、中国は引き続き上昇するが、10ポイント以下の伸びにとどまる予想で、アジア、韓国は引き続きDI値がプラスとなる見通しだ。

 現況の顧客層別では全方面で20ポイント以上の上昇となった。とくに前期に大きく落ち込んだファミリーは46ポイント増、シニアは43ポイント増と、大幅に回復しており、自粛ムードが緩和され、旅行需要が回復してきているという。また、3ヶ月後をみると、ファミリーや学生、OLでポイントがやや減少するが、インセンティブは15ポイント増、商用、視察が8ポイント増と今回に引き続き増加する見込みだ。JATAによると、震災の影響で中止、延期していたMICEの見積もりが徐々に増えてきていると推測できるという。

 国内旅行は36ポイント増のマイナス37と大きく回復し、前回調査の予想値であるマイナス47との比較でも10ポイント増と上昇した。震災の影響が少なくなりつつあることで、現況は全方面で上昇。西日本は好調だが、東日本が伸び悩む西高東低の傾向が続いているという。方面別では、北海道、甲信越、九州、奄美・沖縄が30ポイント以上の伸びを見せたが、東北、関東、横浜・浦安を含む東京は20ポイント程度にとどまった。3ヶ月後は現況で伸びが少なかった東北が4ポイント、関東が7ポイント、横浜・浦安を含む東京が10ポイント増加する見通しだ。

※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別に業況判断をDI値を導出している。今回は設定数615社のうち、303社から回答があった。