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トップインタビュー:NZ日本・韓国地区支社長オーバリー氏

2つの震災を乗り越え、需要も回復へ
冬期には供給量増で再びプラス成長めざす

 昨年6月にニュージーランド航空(NZ)の日本・韓国地区支社長に就任したエド・オーバリー氏。この1年の間に、クライストチャーチの地震と東日本大震災という大災害が発生し、日本からニュージーランドへの渡航需要は大きな打撃を受けた。しかし、時間が経つにつれ徐々に回復。「日本は現地消費額の高いクオリティ市場」と、ニュージーランド観光局(TNZ)や旅行会社と協力しながら、需要喚起に積極的に取り組んでいく考えだ。


-日本支社長就任から約1年が経ちました。この1年の総括をお聞かせください

エド・オーバリー氏 (以下、敬称略) まず、昨年6月から今年2月中旬までは非常によかった。この期間、旅行会社の協力もあって、日本からニュージーランドへの旅行者数は前年同期比で18%ほど増加した。しかし、2月22日にクライストチャーチで地震があり、予約はほぼゼロの状態になり、キャンセルもグループを中心に何千人単位になってしまった。地震の影響はごく限られた地域だったが、残念なことにニュージーランド全体が被害を受けているような印象が日本で広まってしまった。

 そして、もちろん3月11日に発生した東日本大震災の影響も大きかった。日本中が旅行を取りやめてしまい、状況は悪化してしまった。しかし、6月中旬頃から予約も回復し始めている。今年の冬には需要も戻ると思うが、クライストチャーチの地震の影響はまだ残り、大震災後の日本の経済も不透明なので、昨年と同じレベルまで回復するのは難しい可能性もあるが、私はポジティブに考えている。ただし、予約については間際化が進んでおり、昨年の予約状況から今年を予測するのは難しい。


-東日本大震災後の日本市場をどう見ていますか

オーバリー FITは戻ってきている。メディア販売やホールセールも部分的に回復していると思う。大手旅行会社にはハイシーズンに向けてニュージーランドのパンフレットを作成してもらっている。今年9月から10月にかけて、ラグビーのワールドカップが開催されるが、大会期間中ニュージーランドへの渡航者数が増えると同時に、ニュージーランドに行ってみたいと思う人も増えるだろう。

 夏期の日本市場はヨーロッパに重点を置いているし、実際にヨーロッパに観光に行く日本人は多く、ニュージーランドに目を向ける人は少ない。しかし、8月末頃からは、11月、12月、1月の冬期に向けた旅行の計画で、ニュージーランドへの注目も高まっていくのではないかと期待しているところだ。