約款見直し検討会第1回、取消料見直しの妥当性求める意見も
観光庁は7月29日、標準旅行業約款の見直しに関する検討会の第一回会合を開催した。会合の冒頭では、観光庁観光産業課長の鈴木昭久氏が、旅行形態や取引環境の変化などを踏まえ「グローバルスタンダードに配慮しながら、これから旅行業を運営していかなければいけない時代になった」と指摘。「状況の変化を踏まえ、見直すべき点について、有識者の皆様の意見を忌憚なくうかがい、よりよい標準約款にしていきたい」と述べた。
会合では、日本旅行業協会(JATA)が観光庁に提出した要望書をもとに、見直しを検討。JATA側から要望書の内容について、説明がなされた。要望書では、例えば海外の募集型企画旅行の取消料について、現行はピーク時を除き30日前以降3日前までが20%以内だが、これを90日前から41日前まで10%以内とするなどの見直しを求めているところだ。
これに対し、消費者庁や消費者団体などからは、取消料収受の前倒しについての具体的な数値的根拠など、取消料改正の妥当性を示すよう求める声があがった。これを受け、次回の委員会ではJATA側から平均的な損害額の算出根拠となるデータを提出し、議論を進めていく予定だ。
観光庁では、できる限り早期に約款の見直しがなされるよう、検討していきたいとした。ただし、取消料について改正する場合、消費者から改正内容が妥当なものとみなされなければ消費者契約法に反する可能性があることから、十分に消費者側の理解が得られるよう、慎重に議論を進めていく考え。次回の会合は9月をめどに開催する予定だ。