中国の鉄道事故、影響は部分的-大手旅行会社、代替交通手段への振替も

  • 2011年7月27日

 大手旅行会社各社によると、7月23日に中国の浙江省温州市で発生した高速鉄道の列車追突・脱線事故について、事故該当区間で高速鉄道を利用するツアーはほとんどなく、影響は部分的なものにとどまるようだ。中国国家観光局でも、事故発生付近はもともと日本人旅行者があまり訪問しておらず、観光する場合もバスを利用して移動する場合が主であるため、日本人旅行者への影響はあまりないという。

 ジェイティービー(JTB)によると、事故該当区間で高速鉄道を利用する商品は企画しておらず、特に影響はないという。近畿日本ツーリスト(KNT)も同様で、該当区間を利用するツアーは設定していないという。また、日本旅行によると、中国の添乗員同行型の周遊ツアーはもともとあまりなく、済南から北京までの間で高速鉄道を使うツアーを1本設定していたが、今のところ催行予定はない。現在募集も停止しており、特に影響はないとの考えだ。

 一方、阪急交通社では、9月末までに長春/大連間などで高速鉄道を利用する商品を全国で5コース設定。事故該当区間を利用するツアーはないため、現地の安全を確認した上、通常通り催行する考えだ。また、エイチ・アイ・エス(HIS)では高速鉄道を利用して上海と蘇州をめぐるツアーを設定。同社によると、7月26日以降出発のツアーは高速鉄道を利用せず、当面の間は代替手段として車での移動に切り替えて対応する。

 ANAセールスでは、成都/重慶などで高速鉄道を利用するパッケージツアーを多数設定しており、事故該当区間を利用するツアーはないが、追突した新幹線「和諧号」を利用するツアーもあるという。同社広報によると、高速鉄道の利用を含むツアーの予約者は現在100数名にのぼっており、代替交通機関の行程の設定も含め、対応を検討中だという。27日中には「ANA SKY WEB」に今後の対応を掲載するという。