全日空、5月の国際線旅客は20.7%増-レジャー需要も回復傾向、訪日が課題

  • 2011年7月14日

 全日空(NH)の2011年5月の国際線旅客数は、前年比20.7%増の43万6988人となり、震災後初めて2ケタ増となった。前年実績に、定期チャーター便の4路線を加えた前年比も、3.3%増と上回った。方面別では北米が10.0%増の8万1602人、ヨーロッパが11.1%増の4万3675人、アジア・オセアニア方面が25.4%増の31万1711人で、いずれも前年を上回った。有効座席キロ(ASK)は31.4%増と供給を大幅に引き上げたことが旅客数の増加につながっており、有償旅客キロ(RPK)も16.2%増と増加。ただし、搭乗率は9.0ポイント減の68.6%となっている。

 NH広報室によると、需要は4月以降、回復傾向にあるという。もともとビジネス需要に関しては、震災直後に落ち込んだものの堅調に推移しており、5月のゴールデンウィークをはさみ、日本発のレジャー需要も回復傾向に転化。夏に向けて、この回復傾向が続いているという。

 訪日需要も震災後に比較すれば戻りつつあるというが、日本発需要に比較するとまだ弱い。現在、日本政府観光局(JNTO)などと現地メディアを招聘するプレスツアーなどに協力をして、需要回復を促進していく考えだ。

 一方、国内線の旅客数は13.8%減の272万4933人。ASKは2.8%減だがRPKが13.8%減で、搭乗率は56.1%となっている。ただし、国内線も夏に向けて徐々に回復しており、7月の旅客数は5%減程度まで戻る見込みだという。