エア・カナダ、羽田線の就航中止、需要予想下回る−カルガリー線は増便へ

  • 2011年1月28日
 エア・カナダ(AC)は1月27日、3月に予定していた羽田/バンクーバー線の就航中止を正式に発表した。需要が当初の予想を下回ったといい、需給調整を実施。その結果、羽田以遠の日本国内やアジア各都市への接続が可能な時間帯の発着枠が確保できるまで、「無期延期」することを決めた。旅行会社では、同路線を上期商品に組み込んでパンフレットの作成を終えた会社も多く、ある担当者は「影響は大きい」と話す。ACでは、先週には旅行会社の説明を開始しており、予約済みの旅客については代替便への振り替えを提案しているところだ。

 ACの羽田線は、当初1月31日の就航を予定していたが、冬スケジュール中の運航開始であること、深夜早朝枠を利用する運航スケジュールであることなどから需要取り込みが進まず、3月5日に延期。その後も、カナダ観光局(CTC)やブリティッシュ・コロンビア州観光局(BC州)などと広告やキャンペーンを積極的に展開してきていたが、思うように予約が伸びなかったと見られる。ビジネス需要を見込みにくい路線であることや、他社便を含めて成田と羽田からの米国西海岸線が大幅に拡大したことも要因と考えられる。


▽成田/カルガリー線を週5便に、通年化も視野

 ACでは、羽田への就航を見合わせる一方、需給調整の結果として3月27日に成田/カルガリー線を週3便から週5便に増便する。同路線は夏季限定で昨年初めて設定し、好調な結果を残したことを受けたもの。AC上級副社長兼コマーシャル担当最高責任者のベン・スミス氏は、発表文の中で「(同路線の需要が)ビジネスやレジャー目的のお客様はもちろん、貨物業者の皆様からも高まっている」とコメント。今後は通年化も視野に入れているという。

 使用機材はボーイングB767-300ER型機で、座席数はエグゼクティブ・ファースト24席とエコノミークラス187席。内装を刷新しており、エグゼクティブ・ファーストにはフルフラットベッドのシートを導入。また、全座席にパーソナル・エンターテイメントシステムを備えている。運航スケジュールは下記を参照のこと。

 なお、ACでは成田/バンクーバー線の機材も変更。5月末まではエアバスA330型機、6月以降はB777-300ER型機で運航する計画だ。


▽AC、成田/カルガリー線運航スケジュール(2011年3月27日〜)
AC10便 NRT 16時00分発/YYC 10時40分着(月、水、金、土、日)
AC9便 YYC 12時45分発/NRT 14時25分着※翌日(火、木、金、土、日)