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全日空、新ブランドで競争力強化へ−旅客目線でサービスを刷新

  • 2009年11月11日
 全日空(NH)は2010年2月から、新ブランド「Inspiration of Japan」の展開を開始する。「イノベーティブ」「際立つ個性」「モダンジャパン」をキーワードとし、シートや機内食など機内サービス、空港内の搭乗手続き、ラウンジなどを刷新。2月20日に新造機材のボーイングB777-300ER型機で運航を開始する成田/ニューヨーク線を皮切りに、長距離欧米路線から導入を開始する。当面は150億円から170億円をかけて新造機材6機と既存機材6機の改装を実施し、毎年50億円の増収につなげるねらい。NH代表取締役社長の伊東信一郎氏は、「激変の時代を前に商品戦略を成長戦略の一つの柱として位置づけた」と説明。その上で、「世界のマーケットでゆるぎない価値を提供していく」と語り、競争力向上に意欲を示した。

 シートは、ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラスすべてをリニューアルして居住性、快適性を向上。機内食も、例えばビジネスクラスで好みのメニューを組み合わせて好きな時間に食べられるサービスを開始する。料理家の栗原はるみさんや人気レストランによる監修メニューを用意し、2010年4月からはエンターテイメントシステムで機内食やドリンクのオーダーも受け付ける。また枕など寝具に、特殊技術で水に溶かしたチタンを浸透させたファイテン社の素材を使用する。

 このほか、公式サイト上に空港や機内での過ごし方を紹介するコンテンツを用意。また、2010年2月に成田空港のファーストクラスラウンジをリニューアルオープンし、秋にはファーストクラス利用者とANAダイヤモンドサービスメンバー専用のチェックインスペースを開設する予定だ。

 ニューヨーク以外の欧米路線への導入スケジュールは、2010年度中にフランクフルトとロンドン路線に拡大し、2011年度内に合計6路線から7路線とする予定だ。中短距離路線については、同じブランドを使用するものの、シートなどハード面については路線特性を考慮して今後決定するという。

 なお、新ブランドのイメージキャラクターには俳優の本木雅弘さんを起用。年明けから新聞や雑誌などを含めて広告展開する。


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