求人情報

JATA、新理事長に梅田氏、旅行業界は「コーディネーターの役割が求められる」

  • 2006年7月20日
 日本旅行業協会(JATA)理事長に就任した梅田春実(うめだ・はるみ)氏は19日、記者会見で就任の抱負などを語った。梅田氏はJATA理事長就任前は、国土交通省鉄道局長。また、平成3年6月の運輸省時代に国際運輸・観光局観光部旅行業課長、同7月に運輸政策局観光部旅行業課長として平成5年7月まで約2年間、旅行業、JATAと仕事上で関わる立場にあった。また、国交省ではこれ以外に、鉄道、航空などの役職を歴任しており、旅行業にも造詣が深い。

 梅田氏は「図らずも理事長となり、JATA職員で存じている方、当時、お付き合いをした旅行会社の方もいる」と今後の仕事についてはこれまでの経験が活きるとの考え。ただし「当時(旅行業課長の時代)と環境は大きく異なる」との認識も示す。特に、ITをはじめ、旅行業が団体から個人へとシフトしたことを指摘。旅行業課長を務めた10年以上前でも、「プレイガイド、コンビニエンスストアでの旅行商品の取扱い、そして現在のネットと業法が予想しなかった変化がある」とした上で、「中抜き」について宿泊、交通機関などサプライヤー側の消費者への構成は続くとも予見。
 ただし、こうした状況でも、「(消費者とサプライヤーの)直取引に比べ、素晴らしい旅行商品を提供できる」と語り、現在の旅行会社の取組みではロングステイや異業種との提携をする点を評価。今後は、様々な業種とかかわり、「需要と供給をつなぐコーディネーターの役割が求められる」として、企画力、ニーズをうまく捉える必要性を強く指摘した。

 また、JATAで取り組む2000万人プロジェクトについても、「海外へ行く前の国内アクセスの問題も大きい」と持論を披露。2009年には羽田空港に4本目の滑走路が完成し、成田も滑走路が延伸。2011年に日暮里/成田間が30分台となるが、東京西部や埼玉からの羽田へのアクセスも悪い。こうした点については関係機関に具体的なアクションも必要との考えにあるようだ。