東京都、17年度観光予算は11%増の320億円、多摩・島嶼振興も
東京都はこのほど決定した2017年度予算案で、「世界に開かれた国際・観光都市の実現」として前年比11.5%増の320億円を計上した。観光経営や訪日外国人旅行者の誘致、受入環境の充実、観光資源の開発・発信などに取り組む。また、「多摩・島しょ地域の振興」にも取り組む。
「世界に開かれた国際・観光都市の実現」の内訳は、「外国人旅行者等の誘致」が33.0%増の149億円と大幅に増加。「外国人旅行者等の受入環境の充実」は前年と同じ75億円で、「多彩な観光資源の開発・発信」は3.0%減の96億円となった。
「外国人旅行者等の誘致」では、新たに欧米豪を中心とした富裕層向けプロモーションや、「TOKYOアニメツーリズム」の推進事業などに取り組む。また、MICE誘致の推進に向けて、国際会議の準備・開催支援や、都立施設におけるユニークべニューの活用推進などに取り組む。
「外国人旅行者等の受入環境の充実」では、「東京観光情報センター多摩(仮称)」の整備や、訪日外国人旅行者の多様な文化・習慣に対応できる受入環境の整備支援事業などを新たに実施。また、民間事業者が実施する多言語対応の取組支援や、外国人向けの医療機関情報の多言語化などの充実もはかる。
「多彩な観光資源の開発・発信」では、海外で人気のあるアニメなどのコンテンツを活用したイベントの実施や、観光マップの作成など、誘客促進事業を展開。また、街中でのライトアップ演出の強化などにも取り組む。
そのほか、「多摩・島しょ地域の振興」では「豊かな資源を生かした地域の活性化」として19.9%増の277億円を計上。そのうち28.1%増の41億円を「産業の振興」に充て、多摩地域におけるMICE拠点の育成支援などをおこなう。また、「島しょにおける個性と魅力あふれる地域づくり」として18.9%増の270億円を計上。誘客促進事業として旅行券を12万セット発行するほか、「縁結び観光プロジェクト」などを展開する。
なお、17年度の東京都の予算案は、一般会計が0.8%減の6兆9540億円で、特別会計と公営企業会計を含めた総額は4.4%減の13兆542億円だった。