クラブメッド、「北海道トマム」に期待、冬の稼働100%へ
このほど来日したクラブメッド東南アジア太平洋CEOのザヴィエル・デソール氏は本誌の取材に応えて、2017年12月に北海道占冠村のリゾート施設「星野リゾート・トマム」内で開業する「クラブメッド北海道トマム」の概要や戦略などについて語った。同氏は北海道については「世界有数のデスティネーションで、我々は30年間にわたり『クラブメッド北海道(旧称:クラブメッドサホロ)』で成功している」とアピール。新施設については「視察時には良質なパウダースノーを見て、ニセコなどに負けないマウンテンリゾートができると確信した」と自信を見せた。
「クラブメッド北海道トマム」は新千歳空港からJRの急行で55分、帯広空港から高速バスで40分の場所に位置。遊休状態にあった建物などを改修した4つの建物で構成し、同社内の格付けでは最高級の「5トリダン」として、4トリダンのサホロよりも上級の施設として運営する。
客室はサホロを上回る計341室で約1000人を収容。950席のメインレストラン、120名を収容できる焼肉レストラン、日本酒や国産ウイスキーなどを楽しめるバー、MICE用の会議・イベント施設やチャペルなども設ける。内装のデザインは日本文化と自然をイメージした現代的なデザインとする予定。サホロまでは車で30分程度の距離にあることから、一方で開催するイベントにもう一方の利用者を参加できるようにするなど、連携もはかる。
利用者はサホロと同様に夏期は日本人中心で、冬期は日本人と外国人の半々を想定。外国人はオーストラリア人、シンガポール人などの東南アジア人、香港人などをターゲットとし、富裕層の取り込みもはかる。サホロの冬期と同様に、トマムについても冬期の稼働率は100%をめざす。
日本での販売戦略では旅行会社を重視する考えで、サホロと同様に80%程度を旅行会社経由で販売し、ファムツアーも予定する。また、早期予約者には施設利用料金の割引に加えて、良い部屋を提供するという。
なお、15年に星野リゾートから「星野リゾート・トマム」を買収した上海豫園旅游商城とクラブメッドは、ともに中国のフォースン(複星)グループの傘下企業。デソール氏は現在も同施設の運営を続けている星野リゾートについては、「知名度とホスピタリティのレベルがとても高い」と評価。「仲間として、1つの山を一緒に運営していきたいと考えている」と述べた。