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茨城空港から国際線が減少、9月から春秋の1路線に

茨城空港(2010年7月に撮影)  茨城空港の国際線定期便の減少が続いている。現時点では中国南方航空(CZ)が深セン線を週2便、Vエアー(ZV)が台北(桃園)線を週4便、春秋航空(9C)が上海(浦東)線を週6便で運航中だが、先ごろZVが親会社のトランスアジア航空(GE)との合併により、9月18日を最後に茨城空港からの撤退を表明(関連記事)。加えてこのほど、CZが8月21日で深セン線の運航を停止することを決定し、9月19日以降は9Cのみが運航する予定だ。茨城県などの関係者は、訪日外国人旅行者の大幅減による影響を懸念している。

 CZの深セン線は2015年7月から、ビジネスクラス8席、エコノミークラス143席のエアバスA320型機で土曜日と日曜日の週2便を運航している。CZ日本支社によれば「茨城から“撤退”とは通知しておらず、あくまでも運航停止」とのことで、8月22日以降は欠航扱いになるという。10月29日からの16年冬ダイヤでは就航の予定はなく、17年夏ダイヤ以降についてもも現時点では未定だ。

 CZは同路線の搭乗率についてはコメントを控えているが、運休については「市場の状況や路線の収益性に鑑みて判断した」と説明している。同路線の利用者の9割以上は深セン発で、同じく15年7月に月曜日、火曜日、木曜日、金曜日の週4便で就航した関空/深セン線と組み合わせた利用者が多く、中国の旅行会社もパッケージツアーを造成しているという。

 その他の理由としては、同空港が自衛隊との共用空港で、スロット確保の際などに防衛省との調整が難しかったことも一因として挙げた。スケジュールや機材などの面で「コントロールしにくい部分があった」という。

 9Cの浦東線については、一部のマスコミが16年冬ダイヤからの減便を報じているが、本誌の取材に応えた9C日本支社は「現在は本社で検討を進めている」と説明。ロードファクターは9割を超えていることから、少なくとも路線は維持する方針で、10月の国慶節の前後における需要の変動を予測しながら「増減便」を検討するととともに、浦東以遠への延伸の可能性も探るという。なお、9Cは今年4月に茨城/揚州/成都線を運休している。

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