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インタビュー:JL執行役員・西日本地区支配人の中野星子氏

  • 2014年5月20日

関空国際線、早期の復便めざす
旅行会社との「絆」強化も

 4月1日付けで、日本航空(JL)執行役員・西日本地区支配人に中野星子氏が就任した。JLは経営再建の際に関空発着の路線、特に国際線を大きく削減しており現在は近距離アジアとホノルル線にほぼ特化している状況だが、発着枠が拡大した羽田での路線増が制限される中で、関空や中部発着の需要獲得にチャンスを見出している。初の女性地区支配人でもある中野氏に、関西をはじめとする西日本市場の現状認識や今後の成長戦略について聞いた。(聞き手:トラベルビジョン代表取締役社長 岡田直樹)


-執行役員、西日本地区支配人としての抱負をお聞かせください

中野星子氏(以下、敬称略) JLは経営破綻で、皆様に大変なご迷惑をおかけした。チャンスをいただいてご支援を賜った結果、今日がある。西日本地区支配人として、関西、そして西日本の地域に貢献をしていきたい。

 航空会社が一番貢献できることとして、国際線、国内線ともに経営破綻を経て減便、運休した路線をできるかぎり速やかに、1便1便開設していきたい。文化や人々、商品が動いて初めて経済も活性化する。そういった形で、多少なりとも貢献できることを心から願っており、それに向けて精一杯全力で取り組んでいく。

 関西以外にも中国と四国を担当させていただくが、自治体もMICEなどの誘致を積極的にされており、一緒になってやっていきたい。いいところがまだまだたくさんある。


-変えたいこと、変えたくないことはあるでしょうか

中野 変えたくないこととして、若い方はどうかわからないが、日本航空といえば、例えば弊社の飛行機を海外で見ると「ああ日本だ」、「ほっとする」と思っていただけてきた。今後もそうであり続けていきたい。


-関西地区の競争環境をどのようにご覧になっていますか

中野 競争環境という意味では、どうしてもLCCの影響が大きいように思う。そういった意味では、FSCとしての差別化をはかっていきたいと思っている。人的サービスを含むソフト面、そしてハード面でもプロダクトの刷新を続けている。

 安全運航は当然基本だが、毎回乗っていただく度に新しい感動を感じていただき、もう一度JLに乗りたいと思っていただけるように取り組んでいく。

 市場環境としては、既に注目を集めているあべのハルカスとユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのハリーポッターエリアの開設や、今後も2021年には「関西ワールドマスターズゲームズ2021」が予定されている。

 国際線をうまく飛ばすことで、関西から入ってこの地域を見ていただき、富士山を見ていただいて東京に入る、あるいは逆のパターンもあると思うが、そういうことでも多少なりともお役に立てるのではないかと考えている。