インタビュー:ヴァージン・アトランティックCOO サウザン氏
羽田は「真剣に検討」
革新継続で顧客満足度のさらなる向上めざす
ヴァージン・アトランティック航空(VS)が飛ぶ日欧間路線では、ワンワールドとスターアライアンスの加盟航空会社によるジョイントベンチャーが本格化し始めるなど、競争環境が変わりつつある。特に英国は、先ごろの航空当局間協議により欧米で初めて昼間時間帯での羽田への就航が認められた。個性的なサービスなどユニークな戦略で知られる同社が、こうした競争環境の変化をどう分析し、どのように手を打っていくのか。このほど来日したVS・COOのジュリー・サウザン氏に聞いた。
-日本市場の現状についてお聞かせください
ジュリー・サウザン氏(以下、敬称略) 日本市場は震災後、非常に大きく落ち込んだが、今年は明確に回復の傾向が見て取れる。完全に回復したとはいえないが、今回来日してお話しした業界関係者の方々も自信を持っている様子だった。日本が再び前に進みはじめたと感じている。
我々としても、日本発、英国発双方の需要の見通しが明るいと考えている。日本発については円高が後押しをすると期待でき、英国発についても円高はマイナス要素だが予約状況は復調傾向にある。英国発については、日本政府観光局(JNTO)とも協力して取り組んでいきたい。日本の復興に貢献したい。
日本発のレジャーや団体旅行も順調な回復といって良いだろう。業務渡航需要は、一部のセグメントでは日本発、英国発それぞれで極めて強い回復を示しているが、今後は中小企業を含めてさらに需要を取り込んでいきたい。そのためには旅行会社との協力関係を維持し、シェア拡大に努めたい。
-2014年には羽田空港への就航が可能になります
サウザン 大変喜ばしい。羽田は都心部からアクセスしやすいなど利便性が高い空港であり、私も今回の来日に合わせて視察したところだ。ただ、少し残念に思うのは、成田空港の路線を維持した上で羽田の路線を運航するよう求められている点だ。
成田路線は非常に良い路線であり、我々も大変満足しているため、新しく(羽田)路線を開設するためには適した機材があるかどうかや、東京/ロンドン間の座席供給量と需要のバランスを明確にしなければならない。ヒースローの発着枠を確保できるかも課題になるだろう。
しかし、いずれにしても我々は日本市場に強くコミットし、市場におけるプレゼンスを強固にしていく取り組みを続けていく考えであり、何かしら決定したことはないが、2014年に向けて非常に真剣に検討している。