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【深セン現地レポート】急速な発展を遂げた未来都市の現状、香港との関係

  • 2021年2月15日

深センに流れる人々
旧正月の過ごし方

※この記事は2月10日の情報を基に執筆しています。
深センの夜景

 大都市香港の川向いにある深センですが、かつては国境の小さな漁村でした。しかしながらこの40年間で深センは人口2,200万人以上の世界的な影響力を持つ国際未来都市へと成長を遂げました。2018年には香港のGDPを抜き去り、毎年1,000万人以上の外国人観光客が深センを訪れています。

 このような発展とは裏腹に、中国の人々は深センを人気の高い観光地としては認識していません。なぜなら、深センは計画的に作られた近代的な都市であり街としての歴史が浅く遺跡なども少ないためです。しかし、上記の深センにおける外国人観光客数は他の代表的な観光都市の外国人訪問者数をはるかに上回ります。深センは国内の観光客よりもインバウンドの観光客から非常に人気が高い都市なのです。深センと他の観光都市との最大の違いは、意図的に観光都市として発展してきたのではなく、文化・芸術・創造性を都市の発展に統合した結果、国内最大の国際観光都市に発展した点です。

 また、深センは香港から中国に入国する際の窓口であり、2018年の広州・深セン・香港間を結ぶ新幹線の開通後、香港とのビジネス交流がさらに盛んになりました。加えて、深センは沿岸都市であり港も発達していることから、海外からの観光客が流入しやすい環境が整っているのです。

 今回は、そんな中国で最も新しく、最も急速に成長している都市「深セン」の現地状況や旧正月の情報などを、前回の北京に続きお届けします。

コロナ最新対策 in中国のシリコンバレー

 2021年1月初旬、広東省政府は新たな感染対策のためのポリシーを発表しました。2021年1月5日より、海外から深センに入国するすべての人々は、14日間のホテルでの強制隔離に追加して、特定の地域のみ外出が可能な「コミュニティ隔離」が7日間必要になります。

 14日間のホテル隔離期間中、それぞれ1日目、7日目、および14日目にPCR検査が実施され、さらに7日間のコミュニティ隔離期間の最終日もPCR検査が実施されます。つまり隔離期間中に合計4回のPCR検査が実施されます(イギリスなど新しい変異ウイルスが発見された国や地域からの渡航者は合計で5回実施)。7日間のコミュニティ隔離期間中は、原則として不要な場合は外出できません。どうしても外出する必要がある場合は、地域の保健師に報告し、マスクの着用を強制されます。また、コミュニティ隔離が終了すると、隔離証明書が発行され外出が可能になります。この7日間のコミュニティ隔離期間は2021年1月5日以前に入国し、すでにホテル隔離中の渡航者も対象になります。

 さらに、深セン税関を経由して他の都市に移動する場合、深センでの21日間の隔離と行先の地域での7日間(行先の地域のポリシーによって14日間の隔離もあります)の隔離が必要になり、結果的に合計で28日間(場合によっては35日間)の隔離が必要となる場合があります。

 深セン市当局は市民をセグメント化し、新型コロナウイルスの感染リスクが高いグループからワクチンの接種を開始しました。現在提供されているワクチンは、2〜4週間の間隔で2回の注射が必要です。輸入冷凍商品の物流スタッフ、税関検査担当者、医療スタッフなど組織ごとに予約されワクチン接種を行います。また、留学生、ビジネス目的や私的な目的で海外に渡航する人たちは自身でワクチンを予約可能です。すべてのひとの接種の費用は政府が負担します。中国全土では1月28日時点で、約2,200万人のひとがワクチン接種を受けました。

ワクチン接種の待ち行列

香港の人々が新型コロナウイルスの流行から逃れ深センへ

 立地と文化的背景がとても近いため、深センと香港は非常に特別な関係を保っています。ただ、賃金と物価のレベルはまったく異なるため、普段深センの人々は観光や免税対象の高級品を購入するためによく香港を訪れ、逆に香港の人々は物価の安い深センでトイレットペーパーなどの日用品や野菜などの食べ物を購入していました。

 香港は昨年末から新型コロナウイルスの第4波に襲われ、医療スタッフ・学生・警察などでクラスターが多く発生しています。その結果、多くの香港市民が当局の感染対策に不信感を抱き、大行列を作って深センへの入国を始めました。新型コロナウイルスの影響で閑散としていた深セン湾(税関)が再び人で溢れかえりました。深セン湾は深セン-香港間で18個ある税関のうち、唯一徒歩で行き来することが可能な税関です。

 新型コロナウイルスの影響で深センの移動制限が発令されてからは深セン湾に入国する香港人の数は毎月数百人程度でしたが、昨年末の新型コロナウイルス第4波以降は1日あたり3,000人以上となっています。深センに入国する場合、14日間隔離が強制されますが、香港市民はその制限を受け入れてでも香港から深センに脱出することを選択しています。また、香港政府が旧正月の感染対策強化としてカラオケ・麻雀・バー・レストランなどの娯楽施設の営業を制限する発表があってからは、旧正月に娯楽を楽しみたい香港市民の深センへの「脱出」ペースがさらに加速しました。

 深センへの一連の入国手続きには10時間以上を要し、隔離ホテルの利用料金は10万円以上必要です。さらに、隔離ホテルを予約できるかどうかはその人の運次第です。実際に深センのホテルはグレードに関わらず香港市民の隔離で相当な混雑となっています。また、隔離ホテルが用意できなかった場合は深センへの入国を拒否されるケースもあります。香港以外の地域からビジネスや観光目的で入国を希望する人々は、予期せず隔離ホテルが全く予約できない状況に直面しています。

混雑している深セン湾税関

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