世界遺産の大自然から伝統文化まで、多様な楽しみが待つケアンズ
新しいアトラクションやホテルも登場
オーストラリアの北西部、クイーンズランド州にあるケアンズは、世界遺産のグレートバリアリーフや世界最古の熱帯雨林などへの観光拠点として人気が高く、オーストラリアを訪れる日本人旅行者の約4分の1が訪れているという。この5月、成田、関空からそれぞれ同市に直行便を運航しているジェットスター航空(JQ)とクイーンズランド州政府観光局共催、ケアンズ観光局協力による旅行会社向けの研修旅行に同行し、古くから観光開発されてきた実力派観光都市の現在の姿を旅行会社のスタッフ30名とともに体験した。
完成度の高い観光素材が揃った
表情豊かなデスティネーション
JQのケアンズ線は、成田発便、関空発便ともに、夜に出発し早朝現地着というナイトフライトだ。到着後、寝不足気味のぼんやりとした頭で最初に訪れたのはなんと森の中にあるバンジージャンプのスポット、AJハケットだった。高さ44メートルのジャンプ台がある老舗の施設で、研修旅行参加者の何名かがジャンプを敢行。その高さにひるんだ記者は、併設された「ミンジンスイング」に挑戦したのだが、こちらも45メートルの高さから飛ぶ空中ブランコ。時速120キロメートルものスピードが出て、しかも何度もスイングを繰り返す。この絶叫体験で一気に目が覚めた。深夜フライトのリフレッシュ対策としてこれ以上のものはないだろう。
ここから始まり、ケアンズでは様々なアトラクションを次々と体験した。とりわけ印象的だったのは、定番中の定番ともいえるキュランダへの1日ツアーだ。まずケーブルカーのスカイレールで世界遺産の熱帯雨林を上空から探索。途中2ヶ所で下車し、1億5000万年以上前の姿をとどめるという貴重な森の中を歩くこともできた。迫力あるバロン滝のビューポイントもあり、2018年11月にはここにガラス張りの眺望デッキが登場予定という。
また、スカイレイルの先には、マーケットで有名なキュランダ村があり、地元アーティストや先住民クラフトなどの店でショッピング。さらにその近くの自然公園「レインフォレスト・ステーション」では、ワニやサザンカソワリなど熱帯雨林の動物を間近で観察。ここでは他にも第二次世界大戦時に使われた水陸両用車でのジャングル探検から、カンガルーやワラビーの餌付け、コアラを抱いての写真撮影、ブーメラン投げなどの先住民文化体験まで、オーストラリアならではのプログラムをたっぷり体験可能。そして最後はキュランダ鉄道に乗ってケアンズへ、というなんとも充実した1日だった。
このほかにも、クイーンズランドの野生動物が見られるハートレイズ・クロコダイル・アドベンチャーや、夜のケアンズ港を遊覧するディナークルーズ、先住民の火起こしの儀式とブッフェディナーが楽しめるジャプカイナイトなど様々なプログラムを体験。
もちろんアウトドア系も多く、例えばサトウキビ畑を抜けユーカリの木々の中をめぐる乗馬ツアーなどは、多くの参加者に大好評だった。同様にラフティング、ゴルフ、気球ツアーなど、何度訪れても再び挑戦したいと思わせるアクティビティが充実。グレートバリアリーフへのツアーではケアンズから近いグリーン島などが人気だが、今回は全くの無人島で1日100人の入島制限のあるフランクランド島へ訪れた。あいにくの雨だったが、手つかずの自然が残る島でのBBQや散策はかなり印象深い。リピーターにもお勧めできる1日ツアーだ。
このように、今回の研修旅行ではケアンズの観光素材の豊富さをたっぷりと体験することができた。驚いたのは、いずれも本物志向で大人が十分に楽しめる完成度を持っていること。ここにはこうしたアトラクションやツアーが数え切れないほど揃っており、その多くが日本語によるガイドを置いているという。人気デスティネーションならではの底力のようなものを感じた。