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OTOA、JATAとの関係強化に意欲、「海外旅行復活」へ

  • 2016年1月6日

OTOA会長の大畑氏  日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)会長の大畑貴彦氏は1月6日、同会の新年会で本誌の取材に応え、日本旅行業協会(JATA)が2016年を「海外旅行復活の年」として位置づけたことを歓迎するとともに、JATAとの協力関係を強化したい考えを示した。今後はトップレベルでの意見交換も緊密におこない、出国者増に向けた具体策を練り上げたいという。

 冒頭の挨拶では昨年を振り返り、訪日外国人旅行者の大幅増に湧いた一方で、近隣国との政治的緊張やテロ事件の発生、円安の継続などにより、引き続き日本人出国者数が減少したことを説明。「政府のアクションプログラムでは、ツーウェイツーリズムの推進を掲げているが、バランスの取れた取り組みがなされているかは疑問」と指摘するとともに、「民間の力だけでは限界がある。国も具体的な形でアウトバウンドの振興を」と訴え、若年層のパスポート取得無料化などの施策導入を要望した。

 そのほか、OTOAとしてはさらなる訴求力のある商品づくりなどに努める考えを表明。出席したJATAなどの関係団体、大使館や政府観光局、ホテルなどの関係者に「実のあるツーウェイツーリズムの推進を」と協力を求めた。

JATA会長の田川氏  挨拶に立ったJATA会長の田川博己氏は冒頭で、「大畑会長と思いは同じで、海外旅行復活の年にしたい」と宣言。また、日本が世界的な観光立国をめざすためには「ツーウェイツーリズムの振興によってリーダーシップを取らなくては」と強調し、「日本人出国者数の減少を野放図にしていては、観光立国としての姿勢が疑われる」とも指摘した。出国者数増に向けた具体策としては「新しいデスティネーションやツアーの形を考えていきたい」と述べ、OTOAとの協力関係を強化する考えを明示。本誌の取材に対しても、OTOAからの新たな提案をこれまで以上に活用していく考えを示した。

 OTOA会員企業を代表して乾杯の音頭を取ったユー・ティ・アイ・ジャパン(UTIジャパン)代表取締役の井上照夫氏は、同時多発テロ事件発生後のフランスに向けて、JATAが今月中に使節団を派遣することを大きく評価。「会員一同が気づけられている。我々もできる限り協力したい」と賞賛した。

観光庁次長の蝦名氏  観光庁次長の蝦名邦晴氏は、海外・国内・訪日旅行の「三位一体」で取り組みを続ける「ツーリズムEXPOジャパン」や、近隣国などへの使節団派遣を観光庁も支援していることを説明。そのほか、旅行会社が「海外旅行復活」を果たすためには、新たなデスティネーションの開発や、インターネットなどを活用した情報発信の強化が必要になるとの見方を示し、「観光庁や関係省庁も、どのように協力できるか検討したい」と述べた。