求人情報

日本への渡航制限は不必要、ICAOやWHOが発表−国際線への影響回避に期待

 国際民間航空機関(ICAO)は3月18日、国際原子力機関(IAEA)、国際海事機関(IMO)、世界保健機関(WHO)、世界気象機関(WMO)の5つの国連機関を代表し、津波の影響を受けていない日本の主要空・海港への空路や海路の運航が通常通り可能であるとする声明を発表した。

 声明によると、現時点では日本発着の国際航空輸送に制限をかける医学的根拠もないという。今後の状況変化は国連機関が綿密に監視するとしつつ、現状としては、日本からの国際旅客に放射能検査を実施する必要もないと強調。いくつかの空港では放射能レベルの上昇が認められるものの、健康上のリスクは一切ないとした。

 国際航空運送協会(IATA)も3月19日、ICAOの声明を歓迎すると発表。IATA事務総長兼CEOのジョバンニ・ビジニャーニ氏はこの中で、「安全は我々が最重視するものであり、安全でなければ我々は飛ばない。5機関による声明は日本への運航が安全であると裏付けるものだ」とコメント。その上で、「我々はこうした権威ある国際機関が提供するアドバイスに従うべきである」とし、通常運航の必要性を訴えた。

 IATAでは、3月18日にも日本路線の維持に向けた取り組みを発表。BSPの正常稼動や燃油の確保や航空会社間の配給調整など、「安全かつ効果的な航空輸送の持続を確保するため、可能な限りの支援をする準備」(ビジニャーニ氏)がすでにできているという。

 このほか、WHOも3月21日18時現在、ウェブサイトのトップページに「日本への渡航について全体的な制限を設ける必要はない」とするアドバイスを掲出。地震と津波によって移動手段や電力に影響が出ている地域への旅行のみを避けるべきだとしている。また、原発事故による放射能への不安に対しても、「FAQs(よくある質問と答え)」として回答している。

 なお、国土交通省では、日本路線への影響を避けるため、こうしたICAOやIATAの発表文をウェブサイト上で紹介。さらに、航空局のページでは、成田と羽田の2空港における放射線の測定状況を日本語と英語で発表している。


▽地震関連情報一覧
リンク

▽関連記事
中国などで旅客の放射能検査−貨物便引き返しも(2011/03/17)