クロスホテル大阪、夜の滑走路模した「伊丹空港」客室

壁に精巧な飛行機模型を飾ったクロスホテル大阪のコンセプトルーム=9日、大阪市中央区(田村慶子撮影)
壁に精巧な飛行機模型を飾ったクロスホテル大阪のコンセプトルーム=9日、大阪市中央区(田村慶子撮影)

オリックス傘下のクロスホテル大阪(大阪市中央区)は9日、大阪国際空港(伊丹空港、大阪府豊中市)と共同企画した特別客室「ITAMI AIRPORT ROOM(伊丹エアポートルーム)」を報道陣に公開した。夜の滑走路に見立て、実物の72分の1サイズの飛行機模型と照明などで壁一面を装飾。若山智総支配人は「飛行機好きにはたまらない客室。マニアや家族連れなど新たな客層を広げたい」と期待する。

客室の壁に描いた滑走路に「ボーイング737―800」の72分の1サイズ(全長約60センチ)の特注模型を配置。模型内部や壁に誘導路標識のLED(発光ダイオード)照明を仕込み、壁に向かってベッドに横たわるとまるで夜の滑走路を上空から眺めているかのようだ。洗面所には空港内の立ち入り制限エリア写真を展示。伊丹空港の公式キャラクター「そらやん」のぬいぐるみや、空港内醸造所の限定ワインも特典に付く。1日1組限定で、客室料金は2人1室1泊3万1400円から。

ホテルスタッフの案内で伊丹空港の制限エリアを専用車などで周遊するツアー付きプラン(同4万1500円から)も10日と25日の限定で売り出したが3組分が完売した。空港との調整次第だが、ツアー付きプランの投入も検討するという。空港運営会社の関西エアポートはオリックスなどが中心に出資する共同企業体であり、グループでの相乗効果も狙っている。

ホテルを運営するオリックス・ホテルマネジメントは令和3年5月、11都道府県で運営する宿泊施設や研修施設、水族館で地域の観光資源を掘り起こし、エリアと運営施設のブランド力を高める「地域共創プロジェクト」を始めた。

伊丹空港との共同企画もその一環で、これまで同ホテルでは府が認定する「大阪製ブランド」の食器や雑貨を集めた展示企画などを実施。広報担当者は「ホテルが中心となり、(新型コロナウイルス禍で)落ち込んだ観光を盛り上げたい」とする。まずは近県を中心に国内客を呼び込みたい考えだ。(田村慶子)

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