マカオのカジノ収入、前年比68%減 経済に打撃

マカオのカジノ収入、前年比68%減 経済に打撃
 6月1日、5月のマカオのカジノ収入は33億パタカ(4億ドル)と、前年比で68%減少した。写真はマカオで2015年10月撮影(2022年 ロイター/Bobby Yip )
[香港 1日 ロイター] - 5月のマカオのカジノ収入は33億パタカ(4億ドル)と、前年比で68%減少した。前月比では25%増加したものの、2019年5月の260億パタカを大幅に下回っている。
マカオではカジノ収入の減少で経済全体に大きな影響が出ており、数百社が閉鎖に追い込まれた。失業率は4.5%と、2009年以降で最悪。19年は1.8%だった。
マカオ政府は先週、失業増大と財政悪化が社会不安を引き起こしかねないと警告。カジノ税収は政府歳入の80%以上を占めており、経済の多様化は進んでいない。
マカオ大学のグレン・マッカートニー准教授は「マカオは世界で最も観光に依存している都市だ。一夜にして多様化は起きない」などと述べた。
マカオでは、新型コロナウイルス流行以降、カジノ収入への依存体質が露呈している。第1・四半期の訪問率は19年第1・四半期比で80%以上減少。コロナ規制が響いた。マカオの観光客の90%以上は中国本土から訪れるが、中国ではゼロコロナ政策が続いている。
エンペラー・エンターテイメント・ホテルは4月、厳しい事業環境を理由に6月26日からカジノを閉鎖すると発表。地元メディアによると、他にも少なくとも7カ所が年央までに営業を停止する予定だ。
国際通貨基金(IMF)は4月、マカオ経済が新型コロナ流行前の水準に戻るには数年かかるとの見通しを示した。

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