カナダ、ワクチン接種完了者の入国前検査廃止 4月から
【ニューヨーク=白岩ひおな】カナダ政府は17日、ワクチン接種を完了した旅行者を対象に、4月から入国前の新型コロナウイルス検査を不要にすると発表した。オミクロン型などの新型コロナ感染者が減少傾向にあることを踏まえて規制を緩和し、旅行者を呼び込む。
デュクロ保健相がオンラインで記者団に明らかにした。「高いワクチン接種率と公衆衛生対策の順守で、オミクロン型のピークを乗り越えた」と述べた。現在はカナダへの入国者は接種の有無にかかわらず、入国前24時間以内に受けた新型コロナの抗原検査か、72時間以内のPCR検査で陰性を証明する必要がある。
4月以降の入国者は、入国の14日前までにワクチンの接種を完了していれば検査結果の提出は不要だ。ファイザーかモデルナ製なら2回、ジョンソン・エンド・ジョンソン製なら1回接種が要件で、追加接種の有無は問われない。未接種者と接種を完了していない旅行者は、到着時と8日後のPCR検査、14日間の隔離が必要となる。
すべての旅行者は「ArriveCAN」と呼ばれるカナダ政府の公式アプリまたはウェブサイトでワクチン接種などの情報を事前に申告する。接種完了済みでもランダムな検査の対象に選ばれた場合は到着時に検査を受けるが、結果が出るまでの隔離は不要だ。
デュクロ氏は「すべての対策は状況の変化に応じて見直される可能性がある」とも指摘した。行動規制を相次ぎ緩和・撤廃してきたドイツや英国、フランスなどの欧州やアジアで再び感染が増えていることが念頭にある。世界保健機関(WHO)は16日、3月7~13日までに報告された新たな感染者が1100万人で、前週と比べ世界で8%増加したと発表した。
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