キャセイ航空、21年は赤字縮小 「貨物輸送能力の拡大目指す」
[9日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空が9日に発表した2021年決算は、55億香港ドル(約7億0345万米ドル)の赤字で、赤字幅は前年と比べて大きく縮小し、自社の予想よりも小幅にとどまった。新型コロナウイルス感染抑制策として乗務員に厳格な隔離規制が課される中、貨物の輸送能力を可能な限り引き上げていく考えを示した。
キャセイ航空は1月の時点では、赤字幅を56億─61億香港ドルと予想していた。20年は216億5000万香港ドルの赤字だった。
下期は、経費削減や貨物の輸送需要拡大・値上げを背景に、約20億香港ドルの黒字を計上。ただ、旅客数は20年比で85%減少した。
パトリック・ヒーリー会長は、22年は「極めて厳しい」スタートを切ったと指摘した。香港はコロナ対策として、乗務員の隔離規制を厳格化したほか、米英豪など主要市場からの旅客機乗り入れを禁止した。
キャセイは1月以降、コロナ禍前の旅客輸送能力の2%、貨物はコロナ禍前能力の3分1以下で運航している。21年は売上高の79%を貨物に依存していた。会長は「旅客と貨物の輸送ネットワークを維持すべく努力している。貨物輸送能力をできる限り引き上げたい」とした。
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