タイホテル大手マイナー、2期連続の最終赤字
【バンコク=岸本まりみ】タイのホテル・外食大手、マイナー・インターナショナルは、2021年12月期の連結最終損益が131億バーツ(約458億円)の赤字だったと発表した。前の期(214億バーツの赤字)より赤字幅は縮小したが、新型コロナウイルスの影響が残り、2期連続の最終赤字となった。
売上高は前の期比30%増の762億バーツだった。事業別にみると、主力のホテル事業が49%増の505億バーツ。渡航制限の緩和を受け、本拠地のタイや欧州、モルディブなどで旅行需要が拡大した。
21年10~12月期のホテル事業のコア純利益(無形資産の償却などを除いた純利益)は新型コロナの感染拡大後初めて、7四半期ぶりに黒字転換した。外食事業は2%増の211億バーツだった。
足元では世界で渡航制限の緩和が広がり、業績は回復に向かっているという。マイナーは22年の見通しについて「最悪の事態は終わり、需要の大幅増による迅速な回復が見込まれる」としている。ただウクライナ情勢が混沌としており、先行きは不透明感がある。
一方、コロナ禍で取り組んだコストの引き締めと設備投資の削減は当面続ける方針だ。ディリップ・ラジャカリア最高経営責任者(CEO)は新型コロナ禍で「より回復力があり、よりスリムで、より強力になるための基盤ができた」と強調した。
マイナーは「アナンタラ」や「アヴァニ」などのブランドで、世界56カ国・地域に520カ所以上のホテルやサービスアパートメントを運営するホテル大手。外食事業にも力を入れており、23カ国・地域で2300店以上のレストランを運営している。
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