再生燃料の使用率10%に　国交省、空の脱炭素で工程表

国土交通省は10日、航空分野の脱炭素化に向けた施策の工程表をまとめた。廃油や植物を原料にした環境負荷の少ない再生燃料（SAF）を普及させるため、2030年までに国内航空会社の燃料使用量のうち全体の10%をSAFに置き換える目標を盛り込んだ。

有識者会議に素案を示した。SAFは航空機の運航時の二酸化炭素（CO2）排出量をジェット燃料に比べて約8割減らすため、「空の脱炭素」の切り札とされている。ただ世界的に開発途上で供給力は乏しい。

国交省は空港にSAFの受け入れ設備を整えるなど当面は輸入に頼る一方、30年ごろまでをめどに国産SAFの商用化をめざして開発を急ぐ。

CO2排出減につながる電動航空機の普及を見据え、安全基準の国際標準化にも取り組む。米欧の航空当局と連携し、23年度以降に国際標準化団体への共同提案を狙う。国際ルールづくりを主導して国内の航空産業の競争力を確保したい考えだ。

このほか飛行経路や高度などを見直し、運航効率を改善する。航空管制分野で50年までにCO2排出量を約10%減らす目標を盛り込んだ。