タイホテル大手マイナー、プラスチック削減で金利低減
【バンコク=岸本まりみ】タイのホテル・外食大手、マイナー・インターナショナルは17日、サイアム商業銀行とESG(環境・社会・企業統治)に関連する取り組みに連動する金利スワップ取引を結んだと発表した。使い捨てプラスチックの削減などの目標の達成状況に応じて金利が変動する仕組みだ。持続可能性への取り組みを市場にアピールする。
世界の代表的なESG関連指数の一つである「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」の構成銘柄への選定、タイ取締役協会からの企業統治のスコア、使い捨てプラスチックの削減の3項目を評価の対象とする。対象となるローンの額や償還期間については明らかにしていない。
マイナーのブライアン・ジェームス・デラネイ最高財務責任者(CFO)は「ESGに焦点を当てることが長期的に事業を強化する」と強調した。今回の取り組みは「社会に利益をもたらすだけでなく、会社の財務コストにもプラスの影響を与える」と語った。
タイでは足元で環境対応型の融資で資金調達する企業が相次いでいる。2月にはツナ缶世界最大手のタイ・ユニオン・グループが水産資源や人権保護の評価に連動した「サステナビリティ・リンク・ローン」、今月3日にはタイの石油化学大手インドラマ・ベンチャーズが温暖化ガス削減などの目標と連動する社債「サステナビリティ・リンク・ボンド」の発行を発表している。