JALなど航空9社、再生燃料を米社から共同調達へ
日本航空(JAL)など航空連合「ワンワールド」に加盟する航空会社9社はこのほど、脱炭素につながる再生燃料(SAF)の共同調達に乗り出すと発表した。米国の再生燃料メーカーが製造するSAFを2024年からの7年間で130万㌔㍑調達し、米国発の定期便に搭載する。SAFは航空機の運航で出る二酸化炭素(CO2)の大幅な削減につながるが、世界的に供給量が少なく、連携して安定調達につなげる。
JALのほか、アラスカ航空、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズなどが参加する。調達先は廃食油などを原料にSAFを製造するアメティス(カリフォルニア州)。アメティスは今後、米国でSAFの量産工場の建設を計画している。JALなどは24年から、サンフランシスコ国際空港発の定期便に調達したSAFを搭載する。
廃食油や植物を原料にしたSAFを使うと、化石燃料だけで運航した場合に比べて、実質的なCO2排出量を8~9割削減できる。一方で供給量は世界で必要な航空燃料の1%以下とされ、航空各社が国産化や輸入調達を進めている。
JALは30年に全燃料搭載量の10%をSAFに置き換えることを目指し、米社などからの調達を急ぐ。国内では全日本空輸(ANA)も欧米企業からの輸入調達のほか、国産化に向けた製造事業者への働きかけなどを進めている。10月にはANAとJALが共同でリポートを発信し、SAFの普及や国産化への活動で協力することを表明した。
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